東赤石の夏の花、その1、ボタンヅルなど
前回の記事でも書いたように、7月19日に北アルプスから帰ってきてからというもの、山行は全面的に自粛して、8月3日に自宅で営む法事の準備や掃除に明け暮れていました。
今年は3泊も山小屋に泊まり、よく遊ばせてもらったので、それもいたしかたないですね。
一昨日、最後まで我が家に泊まっていた甥っ子も帰ったので、これで我が家の一大イベントは終了です。法事が終わったら、ちょうど、東赤石にオトメシャジンが咲く時期でもあるので、後片付けも終わった7日に東赤石に登ろうともくろんでいました。
今回のパートナーは久々に、高二になった末っ子です。
画像は今日、山頂付近の岩稜帯のあちこちで咲いていたオトメシャジンです。
オトメシャジンは東赤石山の固有種だそうで、この花が見たくて、2002年に子供たちを連れて登りました。そのころが私のお花見山行の初期ですね。
さて、昨夜は携帯のアラームを5時にセットして寝たものの、アラームを一旦消して、寝過ごすというドジをやってしまいました。次に目が覚めたのはなんと6時20分でした。あまりにも遅い時間に、一度は行くのをやめようかとも思いました。夕べ、東予の天気予報を見たところ、午後からの降水確率が40%にもなっていたことも頭をよぎりました。この前から雨に濡れる山行ばかりしていたので、これ以上カメラを濡らしたくないという気持ちもあります。
しかし、東赤石は登山口までが1時間半なので、急げば8時半ぐらいには歩き始めることも可能です。5分ほど逡巡した挙句、決行することに決めました。まずは寝ていた末っ子を叩き起します。急いで身支度するように言い、私自身も支度をします。保冷バッグに凍らせていたみかんを放り込み、末っ子のザックに入れます。飲み物も一部用意して、自宅を出たのは6時45分でした。
高速近くの山々にも雲が少しかかっていて、あまり良い天気とは言えず。西に向かって車を走らせても、愛媛の山がほとんど見えません。しかし、高速に乗った以上は前進あるのみ。
三島・川之江インターで下り、いつものコンビニで大量の飲み物、お弁当、おにぎりなどを買い込みます。私だけならたいしたことないですが、今日はよく食べる末っ子が一緒なのです。特に水分はお茶、ポカリ、凍らせた飲み物など全部で4リットル近く用意します。
法皇トンネルを超えると、ほんの少し雨が降り始めました。でも、路面が濡れるほどではありません。
今まで何度もこの道を走っているのに初めて気付きました。
位置から言うと、二ツ岳かなと思いますが、きちんと確認してないので、もしかしたら、別の山という可能性もあります。
登山口の瀬場には思った通り8時半に着きました。車は二台とまっていて、私たちが出発するときにもう一台が来ました。
用意をして歩き始めたのは8時40分です。
遅くとも8時には歩き始めたいところですが、コースを考えれば、この時間でも十分歩けるはずです。
心配していた雨は、樹林の中の歩きでもあり、傘を差さなくとも行けそうです。
歩き始めてすぐに、ミヤマウズラが花芽を上げた姿に出くわしました。もうそんな季節なんですね。
8月の山は、初秋の雰囲気が漂っています。
暗いので綺麗に撮影できませんが、この雰囲気ならあと半月もしたら咲きそうですね。
8月には何といってもいろいろな山で必ず見かけるオトギリソウです。
オトギリソウはいろいろな種類があるので、今回は、はっきりわかるもの以外はオトギリソウとだけ記すことにしました。
登り始めから山頂付近まで、ほぼすべての山域で、いろいろなオトギリソウを見かけました。
北アルプスでは蒲田川のほとりに咲いているのを見てきたばかりでした。
北海道では「サビタ」と呼ばれているそうで、原田康子の小説に「サビタの記憶」というのがあるのをご存知でしょうか?
筏津からの道と合流したのは9時です。
キカラスウリの花のようです。曇っているので、まだきれいに咲いたままです。カラスウリの花は夜に咲くんですね。
豊後の集落跡地を過ぎると、ほんの短い間だけ、樹林が切り払われて明るい場所を通ります。天気がいいと東赤石山が見えますが、この日はやはりガスで見えません。
そして明るい場所にはゲンノショウコの白花が咲いていました。
ボタンヅルの花も今年の初見でした。車で走っていた時にも見事な花つきの株を見かけました。
今年初の花を見るたびに、「もうそんな季節になったのか」と思います。
北アルプスではオオウバユリを見ていましたが、四国の山にも8月ともなればウバユリが花盛りです。
ダイコンソウもちょっとした山の山すそではおなじみの花ですね。
私はゆっくりと画像を撮りながら歩き、末っ子には沢に着いたら待っているように言ってあります。
2年前に連れて来た時は、ほかの登山者が多かったので、その人たちを抜くことに喜びを感じたようで、ついて行くのが忙しくて、へろへろになりながら追っかけたことを思い出す。
今回は平日で誰も歩いていないので、そんな心配もないですね。
6月には確か花が咲いていたトチバニンジンの実が既に真っ赤に色づいています。
花よりも実のほうがはるかに目立つ植物です。
タラやウドと同じウコギ科なんですね。
ニンジンとついているのは根っこがチョウセンニンジンみたいに立派だからだそうです。
登山道の傍らにはこんな針葉樹が・・・。カヤの木のようで、実がなっています。
カヤの実は良い香りがあるそうで、そんなことなら香りを確かめれば良かったと思いましたが、後の祭りです。
まぁ、カヤぐらいなら、またどこかで会えるかな?
そうこうするうちに、6月に目の前にエゴの花が咲いていた場所に来ると、今回は目の前にエゴの実がぶら下がっています。
エゴは山ではかなり大きな木しか見ないので、こんな風に目の前で花や実を見られる機会は少ないですね。
エゴの実の皮にはエゴサポニンというものが含まれていて、石鹸の代用になるというのはかなり有名な話ですね。因みに我が家には実生で育てているエゴが数株ありますが、発芽率も良かったし、丈夫ですくすくと育っています。
東赤石に自生しているモミジガサはテバコモミジガサだそうで、去年ぐらいにそのことを知りました。
そういえばほかの山で見かけるモミジガサはもっと大きくなりますよね。
テバコモミジガサは草丈はせいぜい70センチまでです。
花の時期にはほんの少しだけ早かったようです。
なお、テバコというのは石鎚山系の南の端に手箱山という山があって(私はまだ行ったことがないですが)この名をつけたものです。
数年前にはもっと大きな株をこの山で見ていますが、この株は小さいので花を咲かせなかったようです。
6月にも来てますから、咲いていれば気がつくはずです。
前回はヤマアジサイが花盛りだった沢のほとりですが、今回はヤマアジサイの見頃も終わり、次に咲くはずのテンニンソウもまだ蕾で、一寸さびしい風景です。ウバユリだけが咲いていました。
テンニンソウの花の時期は意外と遅くて、剣山にも大群生しますが、毎年、キレンゲショウマの花を見に行くときにも、あまり咲いてないようです。8月末から9月にかけてが花の時期なんでしょうか。
9時40分、最初の休憩場所、橋のかかる沢までやってきました。瀬場からちょうど一時間かかりました。
地図に載っているコースタイムは55分なので、花撮影しながらだと、こんなものでしょうか。
こんにちは。
下界は毎日猛暑でぐったりしますが、山は良いですね。見るだけで涼しくなってきます。
登山の経験もなく挑戦する時間もないので、こちらの写真で楽しんでいます。
投稿: 多摩NTの住人 | 2008-08-08 18:50
多摩NTの住人様、こんばんは。
関東も流石に暑くなってきましたか?
3日の法要には義弟や義姉なども来ていたのですが、「四国のほうがやっぱり暑い」
と言ってました。
こちらの暑さは関東に輪をかけて、すごいです。
それに比べて、昨日の山は一日中、曇っていましたので、山頂は18度ぐらい、登山口でも
22℃ほどで、涼しかったですよ。
投稿: keitann | 2008-08-08 23:41
へぇ〜〜、あの小学生だった末っ子、もう高校二年生ですか?
時が経つの早いですね
やはりかえるの子はかえるですね(笑)
投稿: ヨックモック | 2008-08-09 07:24
ヨックさん、こんちは~。
そうそう、末っ子も今では高2ですよ~。
私よりよほど体力があるので、先に歩いていってもらってます。
歩くのは結構うまいので、あとは地図を読めるようになれば、一人で歩かせても大丈夫でしょうね。
大学入ったら私と同じように山関係の同好会に入ってくれたらな~と期待してますが、無理でしょうね。
せめて山小屋のバイトでもしてくれないかしらん?(^_^;
投稿: keitann | 2008-08-09 18:46