北アルプス最北の山旅、その6、コマクサ
準備が終わったら、出発です。
小屋の外に出たら、10人ぐらいのパーティーの方たちが準備体操をされていました。
出発が同時になりそうですが、例によって私は撮影しながらのゆっくりペースなので、わざとそのパーティーが先に出発するのを待って歩き始めます。
歩き始めは6時半です。
もうちょっと早く気づいていたら、ゆっくり撮って上げられたのにね・・・(^_^;
朝日を浴びて清々しく咲いているイワカガミとミツバオウレン・・。
この二種類はアルプスの標高2500ぐらいでは、セットで咲いている花ですね。
前を行くYさんがカメラを構えていると思ったら、翌日登る予定の雪倉・朝日方面が見えてきたようです。
この緩やかな稜線は雷鳥坂と呼ばれているようで、新聞社の方が見せてくださった雷鳥画像も、この辺りで撮られたようです。
おじさんが1人、地べたに座り込んで何かを撮影していると思ったら、コマクサの花でした。
コマクサがこんなに早く見られるとは思っていなかったので、大喜びです。
それにしても岩ガラガラのところで、よくもまぁ咲いているものです。
秋田駒では大群生でしたが、横殴りの風と雨で写真を撮るのがやっとでしたっけ。
コマクサはこの後もたびたび見かけることとなりました。
チシマギキョウを見るのはたぶん、学生時代の夏合宿以来で、30数年ぶりです。
あの頃はこういう花は何でもイワギキョウと思っていましたが、この花は毛が生えているので、チシマギキョウらしいです。
鉢ガ岳と雪倉岳との鞍部には非難小屋があって、画像にも写っています。
明日はあそこを通過する予定ですが、天気が心配です。
道の傍らにはとても綺麗なゴゼンタチバナが群生で咲いています。
やっぱり、朝の光の中で見る花は最高ですね。
この日は行動時間4時間足らずの予定なので、気分的に楽で、何枚でも撮影しようかいう気分です。
後ろを振り返ると頚城三山でしょうか、シルエットで見えています。
妙高、火打、焼山にも30数年前に登っているはずですが、どの山がどれなのやら・・??
手前の池は勿論、白馬大池です。
この花、2年前の双六の登りで見かけたものの、どうしても名前がわからなかったものです。イチゴの仲間だろうとまではわかったんですけれどね。
二日後に朝日小屋で見せていただいたビデオで名前を確認しました。
コガネイチゴです。
ちゃんと実もなるらしいですが、実は見たことがないです。
野草の名前はそのときにわからずとも、時を経てわかることがよくあります。そういう意味ではずいぶん私も気長になりました。
登山道の傍らにはこんな黄色い花も見え始めて、いかにも夏山ムード満点になってきました。
そう、高山で咲くミヤマダイコンソウです。
南アルプスでも見ましたし、秋田駒でも見かけました。
四国でも石鎚の山頂付近で咲くらしいですが、石鎚にはあまり真夏に登ったことがないので、まだ見ていません。毎年、アルプスで見るので間に合わせているという感じです。
先行の九州のパーティーの方たちものんびりと登られているのか、花撮影しながらの超スローペースの私たちとも距離が開きません。
この方たちとは結局、朝日小屋までずっと同じコースだったようです。
登ってるか登ってないかわからないほどの緩やかな傾斜の道でも、こうして白馬大池山荘が眼下に見えるということは、ちゃんと登っているわけですね。
コマクサの手前に咲いている白い花はイワツメクサ?確か、北岳にも咲いていたような・・。
高山には小さな白い花が多くて、登るたびに悩みます。
これも毎年アルプスで見かけるコケモモの花ですが、今回はここでしか撮影していません。
アカモノやアオノツガザクラはあちこちで見かけたんですけどね・・。
ほんのりピンクを帯びた小さな花が、お気に入りなんです。
コケモモの横に見えている葉っぱはウラシマツツジというそうで、秋の紅葉がとても見事らしいです。白馬山荘の壁に、このウラシマツツジの紅葉の写真が貼ってあったので、その後、気をつけて見ていると、あちこちで見かけました。
振り返ると白馬大池がとてもよい感じに見えています。
この翌日、雪倉岳の山頂からも見えていましたが、まさしく、山上の楽園のような場所に見えました。
こんな高い場所でもまだムシトリスミレが咲いているんですね。
この頃はまだ風もそれほど吹いてはいませんでしたが・・。
keitann様 こんにちは
小生にとっても懐かしい稜線を見せていただいています。
もっとも、小生は逆方向で白馬岳のほうから歩いてきたのですが・・・・・・。
ところで、早い回に、コマクサが現れましたね。これには驚きました。
タテヤマリンドウは、小屋の前庭のようになっている場所ではないでしょうか。
今回も、たくさんの高山植物を満喫しましたが、何と言っても雪の残る山岳景観を見ると、やはりこの眺めに浴したくて山に這い上がってくるですよね。
素晴らしい眺めに、記事を読みながら、釣られて気分は昂揚しています。
投稿: ぶちょうほう | 2009-07-22 17:39
ぶちょうほう様、こんばんは。
白馬方面から大池に下られているのですね。
私も30数年前に白馬から雪倉方面に下っているので、今回はとても懐かしかったです。
コマクサは三国境付近に多いそうですが、私は特に前調べはしてなくて、登りのときは
ここで写真を撮っている方が居て、気づいたんです。小蓮華山までにも数株は咲いていました。
翌日、白馬からの下りで、三国境でかなりの株を見ましたが、その後、雪倉から朝日への
道でも、あちこちで結構咲いてましたよ。
タテヤマリンドウは小屋付近で咲いていましたが、朝日だけからの下りでもたくさん咲いている場所がありました。
この日と翌日は風が強かったんですが、とにかく展望に恵まれて、花と山の撮影にずいぶん忙しかったですよ。
投稿: keitann | 2009-07-22 18:39
keitannさん、こんばんは。
コマクサ♪ 綺麗に咲いていますね~。
凄い場所に咲いていると、いつも感心させられます。
大昔、今ほど山野草に興味がなかった頃ですが
栂池から天狗原まで(近いけど)歩いた事があるんですよ~。
次回はもう少し頑張って白馬大池まで行こうかな・・・。
keitannさんに比べたらレベルが低いですけどね~ (^^ゞ
雪の残る素晴らしい風景・・・ 本当に行きたくなります!
この先も楽しみにしています。
投稿: ミャーのママ | 2009-07-22 19:48
ミャーのママさん、こんばんは。
白馬の花を検索していたら、素敵なサイトがあって、それによるとつい10日ほど前まではコマクサは
咲いてなかったそうです。私たち、良い時期に行ったのかも・・。
栂池から天狗原というと、地図を見ると後ちょっとで白馬大池という感じですね。
このコースは特に危険な箇所もないので、白馬大池といわず、白馬岳まで行けるんじゃないでしょうか。
ウルップソウやミヤマアズマギクなど高山植物も多くて、花を見ているうちにいつの間にか山頂に
ついているという感じでしたよ。
白馬山荘も南アルプスの山小屋に比べると、親しみ易い山小屋という感じがしました。
大きな小屋ですけど、気配りが素晴らしいですよ。
是非、泊られてみてください。
3000m級と言っても、槍ヶ岳や剣岳と違って、花の山ですから、取り付きやすいと思います。
投稿: keitann | 2009-07-22 22:24
良いお天気ですね!
山小屋でいつも心配なのが、夜明け前に目をさましたときに、雨が降ってないかなあ、、、ということなんですけど。
朝起きて、こんなお天気だとバンザーイですよね(^o^)/
大池の上のコマクサは道沿いに点々とありましたね、一株一株ていねいに石で囲ってあって、登山者に大切にされてるような印象がありました。
雷鳥坂のハイマツの下にはリンネソウが咲いてましたが、まだ早かったでしょうか?
では、またつづきを楽しみに。
投稿: 加納@新潟 | 2009-07-22 22:57
コマクサって、どうしてこんな場所が好きなのかって、思います。
まわりは岩ばっかり、他の植物なしで、目立ちたがりや?
時に山草店で見かけても、あのビシッとしまった美しさはないです。
ため息が出てしまう〜〜。
ムシトリスミレはすみれ科ではないけれど、すみれと名がつくと気になります。
私も秋田駒で初めて見ましたが、ついにこの春、(外国産ですが)似たようなのを買ってしまいました。
この空の青と山の緑と雪の白とのコントラストがたまりません。(登った人だけへのご褒美)
連載ものを待ってる気分です。
投稿: プルメリア | 2009-07-23 10:49
加納さん、こんにちは。
ほんとに、山小屋での夜はお天気がすごく気がかりですよね。
太平洋高気圧がぼんと張り出している8月初旬ならいざ知らず、私のように梅雨明け前に
アルプスに行くものは、尚のことお天気が気になりますよ。
この日は幸い、朝方は好天でしたが、この後風がどんどん強くなって、ついに夕方には
雨が降り始めました。大雪山系の遭難も同じ頃、起きたようです。
私たちは幸い、この日は朝10時ごろに白馬山荘に到着していましたから、良かったのですが・・。
山ではちょっとのことで明暗を分けますね。
コマクサはそうそう、登山者の方が小石で囲って、踏まれないようにしていました。
可愛かったですよ。
リンネソウだけはこの辺りに咲くんだな~と思いながら登ったはずですが、いつの間にか
ころっとそのことを忘れていました。でも、咲いていれば目に留まるはずですから、まだ開花して
なかったんでしょうね。見たかったです・・。
投稿: keitann | 2009-07-23 16:48
プルメリアさん、こんにちは。
コマクサはほんとに過酷な場所で咲いてますよね。
私もいつもそう思います。
昔、学生時代に、燕岳で見たときも同じように思った記憶があります。
この花だけは、やはりこういうところで見るのが良いですね。
今回は砂礫地を何箇所か通過しましたが、クモマスミレやミヤマムラサキも、やはり同じような
荒涼とした砂礫地にたくさん生えてましたよ。
どの花がどんな環境を好むかということが、目の当たりで見てよくわかりました。
花と雪渓とハイマツの緑は、やはり登った人だけが見られる御褒美でしょうね。
投稿: keitann | 2009-07-23 16:52