奥祖谷(いや)二重かずら橋とキツリフネ
見ノ越から、そのまま来た道を帰るのはつまらないし、いい機会なので祖谷方面向かうことにしました。祖谷方面は6月初めの天狗塚に登る際に、西山林道の入り口がある久保までは来ていますが、そこから東はまだ走ったことがありません。
途中で、以前から見てみたかった二重かずら橋があるはずなので、立ち寄ることにしました。
祖谷のかずら橋は四国の人間なら誰でも知っている秘境の橋ですが、この二重かずら橋はその祖谷よりもまだ奥深い奥祖谷にかかる橋です。
実際、祖谷のかずら橋のほうは近年、馬鹿でかいコンクリート製の駐車場が出来たり、付近にもホテルが建ったりして、秘境というイメージとはかけ離れたものになってしまいました。
でも二重かずら橋がかかっている辺りは、小さな温泉こそありますが、一面の緑に覆われた山深い場所でした。
緑に圧倒されそうです。
橋を渡っている最中に、向こう岸の小さな滝を撮影してみました。
足元からは沢が見えていますが、どう考えても幅10センチほどの隙間からは絶対に落っこちるわけないと思ったら、怖くはありません。
かずら橋のかずらはシラクチカズラで出来ていると書いてありますが、シラクチカズラというのはサルナシのことなんですね。
そういえば、この山系では大きなサルナシの株を見ることができます。
沢のほとりには木々が色濃く繁っていて、すっぱりと沢を覆っているように見えました。
ここのはどうも植栽されているようでしたが、剣山付近にはギンバイソウが咲く場所が数箇所あります。
一つ一つの花はまだ開いてなくても、花芽がピンク色していて、ギンバイソウってこんなに可愛かったかな?と思いました。
もとの川岸に戻るには、もう一つのかずら橋を渡っても良いのですが、ここには野猿というのがあって、面白そうなので、私は野猿に乗ってみました。
野猿の画像はこちらです。
橋を渡り終えて、再び、車で走っていると、今度はキツリフネが咲いています。
もうそんな季節なんですね。
見ノ越では毎年、ハガクレツリフネが咲いている場所があるのですが、そちらはまだ咲いていませんでした。
ハガクレツリフネはキツリフネと違い秋の花というイメージがあります。
キツリフネのそばになにやら淡い色の花が咲いていると思い、近づいたら、ヤマキケマンでした。
ヤマキケマンは四国ではあまり見ることができない花で、私は今までに東赤石で葉を見たことはありますが、花が咲いているのはこれが初見でした。
フウロケマンや甲斐がなん近くで咲いているキケマンに比べ、繊細な感じを受けました。
「ヤマキケマンの果実は著しく屈曲して」と図鑑にありますが、なるほど、サヤがほんとに曲がりくねっています。
サヤが出来ていたおかげで、同定し易く、助かりました。
あかん。
足がすくむ。
絶対歩けへん。
たとえ時間がかかろうとも河原まで降りて渡るぞ〜。
投稿: あすちー | 2009-07-10 08:33
あすちーさん、頑張ってくださいよ~。
高所恐怖症でいらっしゃるんですか?
渡っていると、橋がゆらゆら揺れるんですよ~。
風情があるでしょ?(^_^;
ここはかなり上流なので、沢の幅もそれほど広くはなくて、川岸まで下りて
対岸まで渡れそうではありましたけどね。
真夏は涼しくて、1日いても楽しそうでした。
投稿: keitann | 2009-07-10 11:40
かの有名な「かずら橋」まで、ちょこっとドライブなんて!
素敵な所で、ほんとに夏向きの場所ですね。
やっぱり、山で咲くキツリフネは凛としてます。
「野猿」も面白そう。自分で運転(?)するんですね。
ギンバイソウって、こんな可愛いお花ですか。開いた所はもっと可愛い?
いつも、すみれを見に行くと葉っぱだけを教えてもらってましたが、花のことを調べたこともありませんでした。
ユキノシタ科? ヤグルマソウ、ネコノメソウ、チャルメルソウ、そしてウメバチソウまで!
投稿: プルメリア | 2009-07-10 23:36
プルメリアさん、こんにちは。
うちからかずら橋までは普通だと2時間ぐらいで行ける距離です。
昔は対向車が来ても離合できないような細い道だったので、この辺りからかずら橋に行くといえば
ドライバーはちょっと緊張したものです。
今は道がかなり良くなりましたが、それでも奥祖谷のかずら橋辺りは、どの道経由でもうちからだと
3時間ほどかかります。
でも、夏でも水が冷たくて避暑にはもってこいですね。この日も香川は33℃ぐらいあったらしいけど
この付近は22℃ぐらいでした。
野猿はそうそう、自分で綱を引っ張って進むんですよ。このときは雨が降っていたので、橋を渡るより
野猿だと、上に屋根があるので濡れずに済むなぁなんてね・・。プルメリアさんも御身が軽そうで
いらっしゃるから、機会があればチャレンジされそうですね。(^_^;
ギンバイソウは調べると西日本に多い花なんですけど、そちらにもあるんですね。
アルプスなんかでは全然見かけませんもんね。
葉に切れ込みがあって、特徴的なので、すぐにわかります。
ユキノシタ科も意外と奥が深いですね。
投稿: keitann | 2009-07-11 11:52
keitann様 こんにちは
前の記事でホソバコオニユリをトックリと鑑賞させて頂きました。
なるほど確かに細葉ですね。 そして、良いところに咲いているではありませんか。
こちらでカズラ橋の奥祖谷バージョンを珍しく拝見させて頂きました。
山深い秘境で、こちら岸から向こう岸に静かに架かっている姿は、実に神秘的ですね。
御記事中で仰言っているように、圧倒的な緑ですね。
これは人為的なものですが、自然とよくマッチした素晴らしいものだと感じ入りました。
周辺の植生も魅力あるものですね。ギンバイソウの花を見たいと思いました。
そして「野 猿」に搭乗でしたか、何となくスリルがありそうですね。
今回もたくさん楽しませて頂きました。ありがとうございます。
投稿: ぶちょうほう | 2009-07-11 18:14
ぶちょうほう様、こんばんは。
ホソバコオニユリ、ご覧頂いてありがとうございます。
全然、知らずに、行き当たりばったりで走っていたのに、こんな風情のあるユリに会えて
ほんとに良かったです。これだから、花散策は止められないですね。
この法面はシランも自生していたりで、楽しい場所です。
奥祖谷の二重かずら橋は、皆様良くご存知のかずら橋より上流にかかっているので、
小ぶりではありますが、周囲が俗っぽくなくて良かったです。
山登りなど楽しむものにとっては、こんな場所のほうが好ましいですね。
モミジが多かったので、秋には紅葉もさぞやと思いました。
ただ、観覧料として500円要るのは、やはり橋の維持などに必要なんでしょうね。
ギンバイソウは剣山にキレンゲショウマを見に行く頃には裂いていますから、7月末か
8月初めが花の時期でしょうか。
野猿、結構、腕力が要りますが、楽しかったです。
投稿: keitann | 2009-07-11 23:08