大展望の天狗塚~牛の背、その1、行き先変更
忘年登山が終わり、あとは出かけても里山程度かなと思っていたところに、12月11日の朝、山友達のTさんから電話をもらいました。「12日は天気よさそうだけど、どこかに登りませんか?」と言うお誘いでした。まだ12月前半だし、幸い、12日は特に予定もなかったので、二つ返事で承諾しました。Tさんは週末の寒波での雪や霧氷を期待されていたようで、労すぜしてピークの踏める国見山にしましょうと提案したのは私のほうです。国見山はいまだに山頂を踏んだことにない山でした。
夜になって、高松の山友達であるreikoさんご夫妻も参加されるというメールをいただきました。にぎやかな山行になりそうです。
↑画像は、結局、国見山登山から天狗塚登山へと急遽変更となり、思いがけず見ることができた初冬の天狗塚から牛ノ背への稜線です。
12日朝は我が家から南に車で20分強のM町で朝6時半の待ち合わせとしました。国見山なら登山口まで2時間、歩き時間も5時間弱と、楽勝コースなので、朝もゆっくりです。起床後、洗濯物など干していても星は綺麗ですが、寒さもたいしたことがありません。これは霧氷はどうなんだろう?という気がしてきました。もっとも、私は山登りの際に霧氷を期待するほうではなく、普通の冬枯れの山でも全然OKなので、山にさえいければ文句はありません。
集合場所にはTさんがすでに来て下さってました。高松からのreikoさんたちとは大歩危のコンビニで待ち合わせの手筈です。路面凍結の恐れがあるので、Tさんの四駆の車を出していただくことになりました。
この辺りは東西に高い山があって、谷深い場所ですから、日の出はまだまだです。
吉野川の朝霧もこの日はいつもほど深くはなく、晴天が期待できそうです。
でも、来る途中に見えた山頂付近も雪らしき白いものが一向に見えず、Tさんががっかりしています。
コンビニのすぐ前の道路際は、すぐ山になっているのですが、木の上にサルがいて、なにやら木の実でもむしって食べているようです。
細い木の枝から枝へと渡って行く姿は、さすがです。
全部で5,6頭ほどもいたでしょうか。
サルは夏に北アルプスの山ろくで見て以来ですね。
そうこうするうちにreikoさん夫妻も到着して、やはり山に雪がないことを嘆いています。
いっそのこと、もっと高い山に登れば、雪もあるのでは?ということになり、行き先を天狗塚に変更しました。
車が二台あるので、天狗塚~牛ノ背をミニ縦走することにし、Tさんの車は下山口にデポしました。
天狗塚の登山口にはすでに車が5,6台とめてあり余裕がないので、もう少し東に行った空き地に駐車させてもらいました。歩き始めはちょうど9時でした。
登山口から登り始めたのは9時5分です。
歩き始めてすぐに赤いツルリンドウの実を見つけました。このコースは花が少ないのと、今の季節は草花は期待できないので、もちろん、喜んで撮影します。
天狗塚に来るのは私としては3度目ですが、この季節に来るのは初めてなので、楽しみです。
この日は、北アルプス以来でダブルストック持参で歩きます。
腕の力も使うので、登りがかなり楽です。
少し登ったところで、後ろを振り返ると、もう矢筈山が見えてきました。ガスが少しかかっているのはサガリハゲでしょうか。
考えたら、天狗の登りのときに、こんなに晴れていたのは初めてなのでした。
天狗塚への登りは登り一辺倒で途中はなかなかの急登の場所もあります。
振り返るたびに矢筈山がせり上がってくるのがよくわかって、高度を稼いでいるのがうれしくなる登りです。
この前剣山系に来たのは、10月末の三嶺で、そのときは紅葉のし始めの頃でした。
でも12月中旬のこの季節は、木々もすっかり葉を落として、初冬の山歩きです。
高い山ならあるだろうと期待していた雪は、こんなにわずかしか見えません。
週末には香川の山ですら雪が積もりましたが、どうやら徳島には雪が降らなかったと見えます。
そういえば、その頃の天気は徳島、高知は晴れマークだったような??
尾根をはさんで東側は植林になっていて、杉を伐採するための作業道がずいぶん増えているように思いました。
それにしても、歩いていても自然林は四季の変化があって素晴らしいですが、植林帯は年間を通じた変化もなく、単調でつまらないですね。
ここは絶好の休憩場所なので、一本取ります。
気温も低くなく、風もないので、12月というのに、暑がりの私とreikoさんは長袖のシャツ一枚ですがそれでも汗だくになりました。
この場所は初夏に来るとダケカンバの若葉が瑞々しいのですが、今の季節はダケカンバも葉を落として、赤っぽい幹の色が青い空に映えてとても綺麗ですね。
ダケカンバの裸木を見るのは、久しぶりのような気がしました。学生時代の山歩きでは、一番最初に覚えた木の名前がこのダケカンバで、本州の山歩きでは、ブナよりも馴染み深かったような記憶があります。
行動食を少しお腹に入れた後、10時8分、再び歩き始めます。
歩き始めてすぐに、稜線が見えてきました。
冬場は木の葉に邪魔されないので、展望が良いですね。
この頃には雲ひとつない青空になってきて、稜線に出たときの素晴らしい展望を知っているだけに、期待でわくわくします。
ブナではないようですが、堂々たる貫禄です。
これで今年はブナの芽吹き前の姿から、芽吹きの姿、新緑、紅葉、落葉後まで年間を通したすべての姿を見ることができました。
もうすぐロープ場がある筈です。
後ろを振り返ると、方まですっぽり笹に埋もれたreikoさん夫妻が見えます。
といっても、ちゃんと道はあるので、快適な登りなのですが、問題はこの後でした。
ん、これは?
鹿かカモシカの足跡みたいですね。
最近ついたばかりみたいです。
そして、人間の足跡も・・・。アイゼンを装着した足跡も見えます。
登るにつれて、雪が凍り付いていて、滑りやすくなってきました。しかし、ダブルストックを使っているので、なんとかバランスを取りながら登ることはできます。アイゼン装着もチラッと考えましたが、もうすぐ稜線だと思い、装着しませんでした。
が、reikoさんのご主人はストックを携行されてなかったので、後で考えたらアイゼン装着すれば良かったと反省しました。特に、靴底が磨り減っていたので、なおのこと滑りやすかったようです。なんとなくトップを歩いてしまいましたが、トップを歩くものは常に後続の人の状態を把握する必要がありますね。こういうとき、ちゃんとした山岳会などであれば、リーダーがきちんと全体のことを考えるのですが、個人的な山行はそういう点が曖昧なので、一考する必要がありそうです。
海に近い平野部にすむ私にとってはめったに見ることのできない霜柱です。
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