久しぶりの剣山、その7、ウグイス
山道沿いにちらほらとツマトリソウが咲いていたのも途切れてしまい、二ノ森付近にしか咲いてなかったのかな?と思い始めていたとき、またしてもEさんの声が聞こえて後戻りです。
綺麗な色のツマトリソウがあるということです。
なんと綺麗な赤味を帯びたツマトリソウではありませんか。
今までで見た中で一番褄を取っています。因みに「褄を取る」と言う言葉ですが、一般的には「裾の長い着物の褄を取って裾をかかげる」という芸者さんが良く遣るあの格好のことですが、自宅にたまたまあった日本国語大辞典で調べてみました。分厚さが5センチほどもの大きくて重い辞典が全20巻になっているという国語辞典です。日本語の意味や用法が詳細に説明されています。これには「褄を取る」の第一義として「鎧の袖または草摺りの端を三角形に地色とは異なった色の糸や皮でおどす、縁取る」とあって、例の芸者さん風の動作は第二義になっていました。これで、ようやく納得がいきました。
要するに縁取りのことなんですね。
この株は全草が赤味を帯びていて、素晴らしい株でした。
綺麗なツマトリソウも見ることができたし、いよいよ剣山頂目指して登っていきます。といってもここも50mほどの登りですが・・・。
新しく買った山靴と帽子で颯爽と歩くTさん・・・だけど、超別嬪さんのツマトリソウの撮影のとき、カメラの設定がどうもおかしいと言ってたのです。それが最後の登りを登っているとき、設定のおかしかったところが治ったそうで、もう一度引き返して撮影してくるとのこと\・・。気合が入ってますね。
私たちはその間に剣山頂で次郎笈でも眺めていましょうと、Eさんと私はそのまま山頂を目指します。
山頂の小屋の横を通りがかったとき、ウグイスの鳴き声がしきりにしています。
ウグイスって春から夏に掛けての山歩きでは毎回鳴き声を耳にするのですが、声はすれども姿が見えないことが圧倒的に多いのです。
ところがこのときは珍しく葉が全然ない枯れ木にとまっていました。
根がttもないシャッターチャンスなので、何度もシャッターを切りました。
スズメぐらいの大きさで、見た目はあまりぱっとしない鳥ですね。
13時丁度に剣山頂に着きました。
山頂に来るのはおよそ2年ぶりぐらいです。
剣山は日本百名山になっているので、四国の山にしては山頂はにぎわっていることが多いのですが、さすがに梅雨の最中とあって、このときは二人の先客だけでした。
山頂からほんの少しだけ次郎笈側に下ると、次郎笈の眺めが抜群なので、そこまで下ります。
鞍部のところが次郎笈峠といい、西島駅までトラバース道がついています。
Eさんがここでも綺麗なマイヅルソウを見つけてくださいました。
こんなにパッチリ開いたマイヅルソウは珍しいですね。
この辺りの眺めは昔も今もあまり変わらないと思うのですが・・・。
そうこうするうちに、ツマトリソウの撮り直しに引き返していたTさんも山頂に来てくれたので、3人揃ったところで下山にします。
下山はこの鳥居を下って、大剣神社コースを下ることになりました。
私はこのコースは一度ぐらいしか歩いていません。
ここでも綺麗に褄を取ったツマトリソウが咲いていましたが、惜しいことに6裂でした。
下のほうに見えているのが西島駅で、先ずはあそこを目指して下ります。
平野部ではオランダミミナグサに取って代わられました。
面白い形の近くを通りますが、バックの次郎笈も早くもガスでぼんやりしてきました。
ここが大剣神社ですが、後の鋭い形をした岩が大剣神社の由来なのでしょうか。
神社を過ぎると、道は次郎笈峠からのトラバース道に合流します。
湿っぽい場所にはネコノメの仲間の咲き跡がここでも見られました。
剣山には比較的多いんですね。今年の収穫です。
そしてナンゴクミネカエデの花がここでも綺麗に咲いてました。
西島駅の直ぐ手前で、まだ何とか見られるツルギミツバツツジがありました。
このツツジはやはり6月上旬までが見ごろですね。
西島駅からリフトに乗る?と言うTさんの提案はEさんに却下され、西島から見ノ越までもちゃんと徒歩で下りました。
Tさんの新しい山靴の履き心地は上々だったようです。
見ノ越へ下山したのは結局14時40分ぐらいだったでしょうか。
停めた車の直ぐ前にはナナカマドが花盛りとなっていました。
アサギマダラが私たちの回りをひらひらと飛んでくれましたが、とまってくれず、結局画像は撮れずじまい(^_^;
Tさんの新しい靴の馴らし山行と言う名目ではありましたが、久しぶりで剣山の綺麗なツマトリソウを見ることが出来、キレンゲショウマの元気な株もたくさん確認できて、期待以上の歩きになりました。
keitann様 こちらにもコメントを落とさせてください。
それと言うのも実に同感・共感項目がたくさんありましたので・・・・・。
「褄取り」の本来的な意味・解釈についてとても嬉しい記述でした。参考になります、ありがとうございました。
現実の個体も実に素晴らしい色彩ではないでしょうか。
再度撮りに引き返したTさんの拘りも納得できます、恐らく小生もそうしたことでしょうね。
そして次郎笈の姿はますます間ノ岳の山容と被ってしまいました。良い山姿ではないでしょうか。
マイヅルソウの咲いた様子を「ぱっちり(Patchiri)」と表現されましたね、この感性は小生も同じように捉えていたので嬉しく思いました。
素敵な山行でしたね。
投稿: ぶちょうほう | 2011-06-26 11:19
こんちは~
ぶちょうほうさんと同じく私も白い花しか見たことがありません。
このきれいな花を見るために、毎年の楽しみがまた増えましたね!
語源の話もありがとうございます。
クマザサの「クマ」とか「ツマ」とか何かに使いたいもんですが、雪割草では先端が赤い花を「ツマ紅」と普通に言ってます。
投稿: 加納@新潟 | 2011-06-26 21:45
ぶちょうほう様、こちらの記事にもコメントを頂きましてありがとうございます。
ツマトリソウのツマトリという名の所以・・・いつも釈然としないものを感じていたのです。そこで、今回は辞典の登場となりました。
こういう名前がついたということは、本州にも褄を取った綺麗なツマトリソウが少しは見られると言うことでしょうね。
ほんとにこんな綺麗な色の個体はなかなか見られないと思いました。私がツマトリソウの大ファンになったのも、元はと言えば最初に見た個体がきちんと褄を取った個体だったからで、真っ白の花だったらこれほど贔屓の花にはならなかったと思います。
Tさんも同じ思いだったんでしょうね。
剣山から眺める次郎笈はほんとに雄姿と言うべき姿で、登頂意欲をそそりますね。この日は時間の関係で登れませんでしたが、いつの日か剣山から三嶺間では縦走したいと考えています。
マイヅルソウも良い時期に見られましたし、花散策としても充分楽しめる山行となりました。
投稿: keitann | 2011-06-26 21:49
加納さん、こんばんは~。
越後のほうなら、ツマトリソウぐらいは山ほどご覧になれるかと思いますが、それでも褄を取ったのは未見でいらっしゃるんですね。やはり雪国は色白美人さんの独壇場なんでしょうね。
剣山の隣の山にもツマトリソウが群生するらしいのですが、来年はそちらのもチエックしてきたいと思います。
語源はこれで「すっきり」という感じでした。
座敷に下級武士の甲冑が置いてあるのですが、実際はどういうものなのか、明日にでも見てみようと思います。
ユキワリソウにツマ紅と言うのがあるんですね。先端が紅い花のことですね。
そういえばツマベニチョウという蝶もいますね。
ツマ=先端という意味の使われ方をしてますよね。
日本語は難しいけど奥行きがあって面白いです。
投稿: keitann | 2011-06-26 23:09