初めてのアルプス単独行、その16、クモマスミレ
チシマギキョウが綺麗に咲いているのを眺めながら、双六小屋で作ってもらったお弁当を半分ほど食べます。考えたら、朝からすでに2時間ほど歩いているはずで、しかも登りがあったのですが、ガスっていて気温も低めなのか、全然のどが渇きません。お弁当を食べるのに、2口、3口、お茶を飲んだぐらいで、体が水分を要求しません。結局、この後もほとんど水分を摂ることはなく、6時間ちょっとの歩きで、摂った水分は200mlぐらいでした。
ここまでで、途中、ナナカマドの繁みを通過するところがあって、濡れそうなので、すでに雨具を上下とも着込んでいます。
このルートを歩いている人は、もうほかにはいないのかと思っていたら、私が休憩してる間に単独の男性が1人と、単独の女性が1人、通られました。
女性のほうは前夜、双六小屋で同室だった方です。40代で山登りに目覚め、百名山をすでに93座登られたそうです。行動中にすごく水分を摂られるそうで、双六小屋で3リットルの水を翌日のために用意されていて、驚きました。私は、この日持っていた水分は精々1,3リットルです。
同じように山を登られるのでも、考え方もずいぶん違うものです。その方は双六小屋で朝食を取られたそうで、出発が6時だったそうです。
私もお弁当を半分ほど食べたところで、再び歩き始めます。
歩き始めてしばらくして、ノウゴウイチゴを見かけました。
ノウゴウイチゴって、いつもこんな場所で見かけます。
ヨツバシオガマとチシマギキョウ、そして白い花の豪華なスリーショットです。
白い花はなんでしょう?
イワツメクサとは違うし、ミミナグサの仲間?
この小さな花を這いつくばって撮影するのが、荷物が重いと大変なのですね。
岩の隙間から咲きあがっているのは、その名のとおりイワギキョウでしょうか。
花冠の縁に毛が見られません。
ものすごい環境で咲くものですね。
この辺りは岩礫地になっていて、こううところで見かけるクモマスミレが出てきました。
何か今まで見たクモマスミレと顔が違うような?
クモマスミレは唇弁が長いのが多いとありますが、西鎌尾根のクモマスミレは長くないですね。むしろ、タカネスミレに顔が似ていると思いました。
それぞれ、少しずつ顔が違っていて面白いです。
話は西鎌尾根に戻って、このルートはびっくりするぐらいクモマスミレが多かったです。
これは後ろ向きのクモマスミレ・・・。
ガスッっていてぼんやりとしか見えませんが、チングルマが見事です。
稜線上を這うように咲いているのはキバナシャクナゲ?それともピンクの色合いなのでハクサンシャクナゲ?迷いましたが、葉が裏返っているのでキバナシャクナゲでしょうか。
稜線が切れ落ちた場所にミヤマクワガタも咲いてるのですが、風があるので、なかなか撮影できません。
前を歩いているピンクの雨具の方が、双六小屋で同室だった方です。
この後、抜きつ抜かれつで歩いたのですが、結局、槍ヶ岳山荘ではお見かけしませんでした。
どこかほかの小屋に泊まられたのかもしれません。
これはえらく草丈の低いシオガマでしたがタカネシオガマでしょうか。
この頃になると、槍のほうから双六に向かっている方とすれ違うようになりました。
ここ西鎌尾根は途中に目だったピークも何もないので、ガスっていると、自分がいったいどの辺を歩いているのかわからないので、すれ違った方たちに、逆に槍からどのぐらい歩かれたかを尋ねて、自分の位置を出そうと試みました。
小さなアップダウンを繰り返すのですが、中でこんなのを見ました。
そのときはわからなかったのですが、ミヤマオトコヨモギのようです。
イブキジャコウソウとヒメレンゲというピンクと黄色のなんとも可愛いツーショットも見かけました。
これは初見です。
西鎌尾根はところどころ、こんな雪渓が残っていますが、アイゼンはこの時期は必要ありません。
ここもチングルマが可憐ですね。
時刻は8時44分です。
下を見ると源流が見えてるのですが、ガスの中を歩いてきたので、ここがどこの源流だか、そのときはわかりませんでした。
が、その後程なく千丈沢乗越に着いたので、この沢は千丈沢だったようです。
コメント