初めてのアルプス単独行、その17、槍ヶ岳山荘へ
休憩してると、背後の登山道を男性1人女性2人のパーティーが通られました。
通り過ぎるのかと思ったら、彼らも私と同じ場所に止まって、いろいろと話しかけられました。この3人の方は富山からこられたそうで、剱岳を早川尾根から登られたこともあるそうです。そして、翌日はこの方たちも槍平小屋から奥丸山、そしてわさび平という同じエスケープルートを下られたのでした。その話はまた後ほど・・・。
この場所は雪渓も見えたりで、誰もが休憩したくなる場所のようで、私の前を歩かれていた男性もちょっと前方で休憩されてるようです。
9時3分、休憩を終えて歩き始めました。結局、この後は一度も休憩せず、槍ヶ岳山荘まで歩くことになりました。
雪渓を踏み抜かないよう用心しながら夏道へとあがっていきます。
少し前を大きなザックを背負った人が歩いていて、先ほどまで私の前を歩いていた人だと勘違いして「左俣岳ってどこなんでしょうね」と話しかけてしまいました。
地図を見ると、西鎌尾根の中で名前の記載してあるピークは左俣岳だけなので、ここを通過すれば、自分の意tがわかると考えたのでした。
話しかけたその人はまだ若い青年でずいぶん大きなザックです。「いったい、そのザックは何キロあるんですか?」と尋ねたら、入山初日は28キロだったそうです。数日前に高瀬ダムから入山して烏帽子のほうから歩いてきたそうで烏帽子小屋は水がないそうで初日は6リットルの水を担ぎ上げたとか・・・。私も大昔、知床を歩いたときは、30キロのキスリングを担いだことがあるのですが、この青年は身長180センチはあろうかという体格でしたから、そのぐらいは頑張ってほしいですね。
大昔、私の仲間の男の子たちは夏合宿では最大40キロのキスリングを担ぎましたけど、今は装備が軽くなって、合宿でも20キロも担がないそうです。
道は再び登りにっかって、道沿いには下のほうで見たのと同じヤマブキショウマが咲いています。
このショウマ、適応力があるんですね。
クモマスミレが岩から顔を出していたのでついつい撮影してしまいます。
先ほどから前方にピークらしきのが見えてるので、それが左俣岳だろうか?などと考えながら登ります。
そうしたら、さきほどの青年が先に確かめてくれたらしく、「ここは山頂標識もなかったようですよ」と教えてくれました。
確かにシャクナゲの花が咲いているだけでした。
左俣岳はいったいどこだったのか、今もって謎です・・・。
晴れていればさぞ見晴らしがいい、あるいはさぞ怖い場所なんでしょうが、幸か不幸かガスってるので、怖くもない代わり、何も見えません。
ここが転落したら危ないというところかもしれません。
上の白いのはシコタンソウです。
花の撮影に手間取るので、先ほど休憩中にお会いした富山の3人組の方には先に行っていただきました。
時刻はちょうど10時です。
思ったより早く着きました。
でも、ここから1時間ぐらいで槍ヶ岳山荘に行けるのかと思ったら、この先が長かったです。
雨具は着込んでいるし、ザックカバーもその前からつけてるので、慌てることはないのですが・・。
前方に先ほどの大きなザックを担いだ青年が見えていますが、彼は休憩してるようです。
青年を追い越した後は、もう花もあまり咲いてないし、何より雨のため一眼を出すことができません。
ガスが濃くて、周囲もほとんど見えず、岩の白ペンキだけを頼りに登りました。
途中、かなりの急登のところもあって、ちょっとしんどかったです。
イワベンケイの見事な株があったのと、少し雨が弱くなったので、カメラを出します。
でも、レンズが相当曇ってきました。
11時18分、こんな道標が出てきました。
ここはまだ岐阜の上宝村なんですね。
槍ヶ岳山荘です。
11時20分の到着でした。
やれやれ、何とか午前中に着くことができました。
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