初夏の東北の旅、その4、早池峰山のムラサキヤシオ
私は初めての山に登る際も、ルート状況などは問い合わせたりしますが、事細かに調べることはあまりしません。
というのも、あまり入念に調べて、自分が歩くルートがわかりすぎると実際に歩いたときの感激が薄れるからです。
今回も数日前に問い合わせをして、山頂の雪の様子やアイゼンが必要かどうか、マイカー乗り入れできる日などは尋ねましたが、それ以上のこと(どんな花が咲いてるか?)などはほとんど調べませんでした。
この日、登る段になって、標高差を見てみたら、河原の坊から山頂までの標高差は900mほどです。まずまずの登りですね。私自身は標高差1500mぐらいまでは登れると思うのですが、数十年の間山歩きから遠ざかっていた先輩たちにはちょっときついかも、ですね。
もともとAさんとKさんは山頂まで無理なようであれば、途中で私を待っているからとも言われていたのですが、バラバラの行動も気が進まないし、できれば全員で山頂を目指したい・・・・。
そんなことを考えながら、いつもよりゆっくりゆっくり登って行きます。
登り始めてすぐにムラサキヤシオらしいツツジの花を見ていたのですが、30分ほど登ったところで、ようやく綺麗な株に出会いました。
ムラサキヤシオは7月半ばの新穂高温泉から鏡平への登りの途中で見かけることがあります。でもその時も花はほとんど終わっていて、かろうじて1,2輪が咲き残っているという具合でした。今回は綺麗なムラサキヤシオを初めて見られて大満足です。
これは何しろ四国では咲かないツツジですし、ドライブで見かけることもなさそうです。
まだ初々しい新緑の中で咲いているムラサキヤシオはほんとに綺麗でした。
5月初めに岡山森林公園で咲いていたハウチワカエデの花ですね。
これも四国では見られないカエデです。
やけに紫色が目立つスミレが、登山道沿いに目につくようになりました。
四国では見たことがないスミレで、色が独特です。
はは~。これが噂に聞いていたミヤマスミレだなとぴんと来ました。
ほとんどは花が終盤でしたが、まだ綺麗に咲いていた株が見つかったので、撮影しました。
スミレ好きとしては本州のスミレを見られたのはとっても嬉しいことでした。
丁度見頃の状態でした。
四国の山ではそれほど珍しくないですが、本州ではあまり見ないですね。先輩方もシロバナエンレイソウは初めてと言って、撮影されていました。
シロバナエンレイソウが咲く山には普通のエンレイソウを見ることは少ないのですが、下りの小田越コースではシロバナエンレイソウではなく、普通のエンレイソウが咲いていました。両方が咲く山は珍しいと感じました。
ムラサキヤシオは最初の樹林帯の登りではあちこちで咲いていました。
今度はロープを張ってくれているので、増水時はこれを頼りに渡るようです。
この後も一か所渡渉点がありました。
早池峰のフキは四国のフキよりかなり大型でしたが、アキタブキなのかどうかはわかりませんでした。
7年前の秋田駒登山の時に見かけたフキはこれよりはるかに大きいものでした。
もっとも、石鎚山の一部で工事のための土砂に混じって入り込んだ個体は見たことがありますが・・・。
200mほど登ったところで、キバナノコマノツメが出てきました。
いつもの年だと、6月の東赤石山で見ている花ですね。
今年は早池峰山で今年初めてのキバナノコマノツメを見られたなんて、ちょっと感激です。
そういえば、早池峰山と東赤石はどちらも橄欖岩や蛇紋岩の山なのです。この後、東赤石との共通点を感じることが何度かありました。
これも四国では見られない植物です。
ヤグルマソウはこの後、栗駒山方面をドライブした時、花も見ることができました。東北の山では良く見られるようです。
このときは標高1500m以上はガスっているようでした。
新緑の色合いが堪らなく良いですね。
これも歩き始めてすぐから見かけていたエゾイワハタザオの花ですが、この辺りでようやく咲き始めの綺麗な個体が出てきました。
シコクハタザオより草丈が低いようですが、この仲間はどれもほぼ同じに見えますね。
歩き始めて1時間も経たないうちに、下山の人とすれ違いました。ずいぶん早い下山でびっくりしましたが、午前3時に登り始めたそうです。ヘッドランプ使用で登られたんでしょうかね。
この場所はちょうど水場があった場所で、皆で一口ずつ早池峰の水を味わいました。
コース自体も沢のほとりを歩きますので、どこででも休憩できそうです。
まだ標高1300程度だと思うのですが、ミヤマオダマキらしき株が出てきてびっくりしました。
ミヤマオダマキは白馬や北岳でも山頂近くでなければ見られない花です。さすがに東北の山は緯度が高いだけあって、さほど登らないうちから高山性の花が出てきます。
登り始めから約1時間歩いたので、そろそろ休憩を取ることにしました。
keitann様 こんにちは
前記事でノビネチドリを拝見し、とても久しぶりのことですので懐かしく思いました。
この記事では深みのある表現で、初々しい花たちがどんどん登場してきます。
とりわけ葉の緑色が美しく出ていますね。
キバナノコマノツメは臨場感溢れる姿で、真正面からお目見えでしたね。
沢筋の岩間でミヤマオダマキとは意外でした。これが咲いたらさぞかし美しい姿になることでしょうね。
沢を歩いて緑滴るような空間はとても魅力的ですね。
投稿: ぶちょうほう | 2012-06-17 15:34
ぶちょうほう様、こんばんは。
ノビネチドリは私自身は四国の山で、毎年のように見てはいますが、四国ではとても貴重な野草です。
その貴重な野草が、早池峰山では駐車場の傍らに何気なく咲いていたので、びっくりしましたよ。所変われば何とやらと言いますが、ほんとにその通りですね。
東北の山々はちょうど新緑の真っ最中で、どこを走っても緑が綺麗でした。
一緒にドライブした主人は東北は初めてでしたが、やはり新緑の綺麗さに感心していました。
キバナノコマノツメも早池峰山のものは花の色の黄色がとりわけ濃いような気がしました。
ミヤマオダマキも数がずいぶん多かったです。
北アルプスの白馬の小屋周辺のミヤマオダマキは聞くところによると、種を播いているというような話もありますが、ここ早池峰山の岩場に咲くものはまさに自然の姿ですね。
蕾が青く色付いたのは見られましたが、開花した株はさすがになかったのが残念でした。
一度にすべての花を見ることは不可能ですから、自家訪れるチャンスがあるとすれば、次回は6月末か7月初旬のハヤチネウスユキソウやミヤマオダマキの花の時期に来てみたいものです。
投稿: keitann | 2012-06-17 23:00