012年晩秋、徳島花紀行、その5、ナカガワノギクとアオヤギバナ
この日のもう一つの目当てだったナカガワノギクは二か所で見ることができました。
私の持っているレッドデータブックには以下の記載があります。
「徳島県の固有種で、那賀川流域の岩盤の割れ目になどに生える。日本産のキク属ではもっとも分布域が狭い。生育地は増水時に冠水するような場所で、葉がくさび形をしていることから、渓流沿い植物の一つとして分化したと考えられている。頭花はリュウノウギクに似ているが、線形の総苞外片は長さが約1センチでリュウノウギクの倍近くある。逆に草体は10~50センチと低い。・・・」
ナカガワノギクは上にも記されているように、徳島でも那賀川流域のそれも中流にしか自生していませんが、那賀川の河原を歩くと、簡単に見ることができます。
このときは珍しく、上方にあった岩に咲いていて、見上げるような形での撮影となりましたが、こういうショットはナカガワノギクとしては珍しいと思います。
いちばんナカガワノギクらしい姿と言えば、こんな風に渓流を背景に咲く姿でしょうね。
花は終盤になるとピンク色に変わってきますが、これは特に終盤と言うわけでもなさそうでしたが、花盛りの頃でもうっすらとピンク色を帯びた個体です。
草丈は20センチある無しです。
草丈の割に頭花が大きく、我が家の庭ではアシズリノジギク、ナカガワノギクの両方が咲きますが、ナカガワノギクのほうが頭花が大きいです。
見分けの難しいキクの花の中で、ナカガワノギクだけはくさび形の特徴的な葉のおかげで、すぐにそれとわかりますね。
一見、アキノキリンソウと見まがうばかりの黄色い花です。
しかし、よく見ると、細長い葉をしており、アオヤギバナもまた渓流植物であることがわかります。
ナカガワノギク同様、岩場の割れ目からたくましく咲きあがっていました。
後方の白いのはナカガワノギクです。
11月下旬も近いというのに、ここではまだまだ花盛りなのです。
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