012年晩秋、徳島花紀行、その3、野生のサザンカとツチトリモチ
3年前にもツチトリモチを見た場所へは、前もって地図で確かめはしていたのですが、Kさんが先導してくださったおかげですんなりと着くことができました。たぶん、私たちだけでは、道も間違えたかもしれません。
そして、前日に調べていたネット情報では、ツチトリモチの見られる場所で野生のサザンカも見られるということです。
3年前にツチトリモチを見に行ったときにはサザンカを見た記憶がありません。さて、今回はどうだろう?と思いながら歩いていくと、咲いていました。
自生のサザンカは今まで足摺岬方面で2度ほど見ています。
サザンカはてっきり園芸品種だとばかり思っていた私は、5年ほど前に高知に野生のサザンカが咲くことを知り、見てみたいと切望したものでした。その願いは3,4年前にかなえられましたが、徳島にもサザンカが自生するということは、今回初めて知ったのでした。
足摺のサザンカは樹高もそれほど高くなく、車道の傍らに生えているので撮影もしやすいのですが、ここのサザンカは樹高も7~8mとかなり高いので、望遠レンズでかろうじて撮影できるという条件です。
でも、白い一重の素朴な花は、足摺で見たサザンカと同じですね。
Kさんのお話では例年だとこの時期には花が終わっているらしいのですが、今年はかなり遅くまで咲いているということでした。
もう一つ、やはり3年前には見ることが出来なくて、今回見られたのが、ミミズバイの花です。
ミミズバイという樹木の名前をご存知の方がいらっしゃったら、その方はかなり植物通なのではないでしょうか。
私も最初訊いたときはバイというのはたぶんハイノキの仲間だろうとは思ったのですが、ミミズがつくのがどうにもわかりませんでした。根っこの部分にミミズが繁殖しやすい木?なんだろうかなど・・・。
検索して見ると果実の形がミミズの頭に似ているからとありましたが、果実は見てないので何とも言えません。
望遠レンズでかろうじてとらえたミミズバイの花です。花期は徳島南部では11月と言うことでした。
香川の山にはハイノキでもクロバイと言うのが多いですが、こちらは初夏に咲きます。
真っ白な花であるのは共通してますね。
このミミズバイの株もとに帰省するのがツチトリモチです。
こんな真っ赤な色をした、一見、キノコのようなものがツチトリモチです。
今年のツチトリモチは小ぶりなものが多かったですが、生態などはあまりわかってないようです。
同じ仲間のミヤマツチトリモチと言うのも見たことがありますが、こちらはこんな綺麗な赤色ではありませんでした。
暖かい照葉樹林には不思議なものが生えてくるものですね。
薄暗い林の中ではセンリョウも実をつけていて、高知の照葉樹林と同じような植生です。
場所を移してミズトラノオも見に行きましたが、こちらは9月が花の時期で、今は花の咲いた後の姿だけで、花の色は飛んでいます。
最盛期にはピンクの花を咲かせるそうで、いつかまたピンクの花も見てみたいものです。
11月下旬になろうかという時期とは思えないほど強い陽射しに照らされたヤクシソウが鮮やかな黄色で、道端の法面に咲いています。
3年前と同じように午後1時を過ぎると、車内は暑いぐらいで、今回も窓を開け放して車を走らせました。
この気候ゆえ、様々な植物がみられるのでしょう。
こんにちは。
ミミズバイは聞いたこともありません。
ツチトリモチも知りませんね。
不思議なものがたくさんありますね。
投稿: 多摩NTの住人 | 2012-11-25 16:18
多摩NTの住人様、こんばんは。
ミミズバイ…マイナーな樹木だと思います。
クロバイは香川の山にも多いのですが、それすらつい4,5年前に知ったばかりです。
ツチトリモチも南方系の植物のようなので、関東辺りでは自生しないのかもしれません。
植物には全国区のものと、その地方でなければ見られないものなどいろいろありますので、フリーになられた暁にはぜひ四国に植物散策においで下さいね。
投稿: keitann | 2012-11-25 22:01
keitann様 こんにちは
今から31年前に購入した野草ハンドブック(富成忠夫著)「秋の花」の巻尾近くにヤッコソウが載っていて、このツチトリモチはそのひとつ前のページに載っています。
そんな古い”図鑑”ですが、何処に記載されていたのかそんなことまでもしっかりと記憶して居ます。
そして、この二つを見ることは小生にとっては夢みたいなこととしてずっとその想いを暖めてきた事でもありました。
その夢の植物二つを連続して記載していただきましてありがとうございます。
投稿: ぶちょうほう | 2012-11-27 09:25
ぶちょうほう様、こんばんは。
31年前の野草の図鑑にヤッコソウとツチトリモチが前後で掲載されていたのですね。
どちらも、高知や徳島などで見られますから、それで相前後しての掲載となったのでしょうか。
30年前の図鑑は今も現役で利用されているのでしょうか?
私はと言えば、山復帰して花を見るようになった2001年ぐらいに2冊買った図鑑がどちらも使いすぎて装丁がぼろぼろになりました。新しいのを買わなくてはなりません。
ヤッコソウとツチトリモチは見られる時期も同じ頃ならば、見られる場所も近いので、一日で十分どちらもご覧になれますよ。
投稿: keitann | 2012-11-27 21:46