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2013-07-29

新穂高~槍~上高地、その11、クロユリ

周囲は高い木が少なくなってきて、次第に高山の雰囲気に変わってきました。

時折ダケカンバがあるぐらいで、風がかなり吹いてくるので、雨具を着ていてもちっとも暑くありません。2年前に下った時も飛騨沢の上部では風が強かったことを思い出します。雨はやんだものの、雨具はこのまま風除けに来ていたほうが良さそうですね。

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キヌガサソウの白い花がやっと見られました。

ピンクの花はもう終盤の花ですが、白いのは咲きあがってからまだ日が経ってない花です。

 

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結局、この山行を通して、サンカヨウの花が咲いているのを見たのはこの付近だけでした。上高地での下りでもかなりの数を見ましたが、すべて実になっていたり花が咲く前の株ばかり・・・。

咲いていた株と言えば、雨のため花弁が透けてしまった花ばかりで、今年はとうとうサンカヨウに関しては綺麗な花を見そびれてしまったようです。

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その代わりと言ってはなんですが、雪渓が融けたばかりの場所ではこんなものが見られました。

キヌガサソウの咲く前の姿です。

可愛いですね。  こんな姿は初めて見ました。

 

 

 

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このザレ場は2年前にも通過した記憶がはっきりと残っていた場所です。

2年前はザレ場全体からまるでちょっとした滝のように雨水が流れ落ちていたところです。

この日は雨もすでに止んでいるので、ほんの少し流れていただけでした。

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雪渓が融けたばかりの場所と言えば、こんな具合にショウジョウバカマも初々しく咲いています。

雪解け直後に咲くと言ったらショウジョウバカマが一番乗りなんじゃないでしょうか。

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標高2300mと書かれた道標が倒れてしまっていました。

そういえば、2年前に下った時は、このルートは細かく標高の表示があって、自分がどのぐらいの高さにいるのかよくわかったものでしたが、今回は、この後はあまり見かけることがありませんでした。


2300mと言うことは、槍平から300m強を登ってきたことになります。登り始めてから、ちょうど1時間ですから、そんなものですね。

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道は相変わらずこんな感じで、それほどきつい登りでもなく、登りやすいと言えば登りやすい道です。

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前を歩くYさんが立ち止まっているようです。

時刻は7時47分、槍平を出発してからすでに1時間以上歩いているので、そろそろ休憩することにしました。Yさんには少しバックしてもらって、ちょっとでも風を避けるため、私がいる辺りまで来てもらいました。私がいる場所にはダケカンバの木があって、少しは風を避けられると思ったのです。そう思ったぐらいですから、雨具を着ていても寒く感じる気温だったんですね。

この先もずっと登りが続くので、お腹に何か入れて力をつけることにします。

気温低めなので、水分はあまり体が要求しませんが、水分補給も一応しておきます。

休憩していたら、目の前を単独の若い男性が一人登って行かれました。早いペースで登って行かれたので、たぶん、未明に新穂高を出発した人でしょうね。このコースは新穂高から槍まで一気に登る人も多いと聞いています。

地図を出して眺めていると、次の千丈沢乗越分岐で道を左にとって、西鎌尾根を行くという考えもあるな~と思えてきました。でもそうなると、槍ヶ岳に登ることができないし・・・。

まぁ、分岐まで行って考えることにしましょうか。

個人山行なので、ルート変更は気が向けば、いつだって可能で、そこが少人数の個人山行の良さですね。

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休憩している間にも、青空が出たり、日が射してきたりと天気はめまぐるしく変わります。

 

10分ほど休憩したのち、8時丁度に千丈沢乗越分岐を目指して歩き始めました。分岐までは後30分ほどと思われます。

 

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ルートははっきりしていて、迷うようなところはありません。

岩にもこんな風に白い〇印がついていて、わかりやすいです。赤テープも見えてますね。

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ここでコバイケイソウが初めて出てきました。

まだ蕾みたいですが、夏山の象徴のような花です。

2年前の下りでも、コバイケイソウの群落が見事だったのを、雨でもはっきりと覚えています。

花の時期としては7月末ぐらいからが見ごろの花だと思います。

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中崎尾根にある奥丸山が、目の高さに見えてきました。

ここから見ると、尾根の上のちょっとしたコブという感じです。

奥丸山は標高2500m弱ですから、こちらもそのぐらいの高さまで登ってきたということですね。

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そして、登山道沿いに、この夏初めて見るクロユリが・・・・・・。

そうそう、このコースにはクロユリも咲くのでした。

Yさんはかなり前を歩いているのですが、このクロユリに気づいたでしょうか?

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西側の中崎尾根の上のほうに、ちょっとしたピークらしきものが見えてきました。

地図で見るとあの辺りが千丈沢乗越のようで、見えているのは2734mピークのようです。あのピーク辺りで、西鎌尾根と合流しているわけです。

 

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登山道の傍らに、今度はシナノキンバイも出てきました。

どんどん、高山性の花が出てきて嬉しくなります。

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中浴尾根が手に取るように近くなってきました。

2734mピークもすぐそこに見えています。

 

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振り返れば、奥丸山がちょこんと見えていて、その手前に、立派なダケカンバが1株・・・。

そろそろお森林限界を越えているはずですが、それにしては大きなダケカンバですね。

奥丸山の山頂は、すでに下に見えてきました。

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コバイケイソウのちらほら咲く山の斜面の間に登山道が見えています。

向こうに見える稜線は中崎尾根です。あの尾根伝いにも槍まで登れます。

P7189409登ってはいけない谷にはちゃんと通行止めのロープが張ってありました。

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オオバキスミレではない黄色いスミレが目に留まりました。

このときはてっきりキバナノコマノツメだと思っていたのですが・・・・。

今、画像を見てみるとクモマスミレのような気がしないでもないですね。ちょっと自信がないですが・・・。この後、クモマスミレを見ることになるわけですが・・・・・。

 

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 クロユリがまたしても咲いていて、このときはYさんもすぐ前を歩いていたので、クロユリが咲いているのを教えてあげます。彼女は花にはあまり興味ないほうですが、クロユリの花は熱心に撮影したいたようです。クロユリは槍ヶ岳や双六方面には多いですが、意外にも白馬辺りでは見ないんですよ。

岳人の歌に「クロユリの花を口にくわえて~♪」とありますが、この歌は私たちの山岳同好会の部歌でしたっけ。

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イワカガミもちらほら咲いて、山岳ムードが一気に高まりますね。

雨が降ってなくて好きなだけ撮影できるのが、ほんとにありがたい・・・・。

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シナノキンバイ、クロユリに次いで、とうとうハクサンイチゲも登場です。

前日にサンリンソウをYさんがハクサンイチゲと間違えていましたが…(^_^;

ハクサンイチゲはサンリンソウとは違いがっしりした花です。

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前を歩くYさんが歩みを止めました。

すぐそばに道標が見えています。あそこが千丈沢乗越への分岐に違いありません。

 

 

コメント

keitann様 こんにちは
やはりクロユリの花に出会えましたね。
それからあとはいろんな花が出るわ、出るわ・・・ですね。
それにしても、花を写すのにこういう天気で幸いでしたね。
それぞれの花が色飛びすることなく、しっとりと情感豊かに撮れているように思います。

寒いほどの涼しさの中を登って行けて、快適な一日でしたね。

ぶちょうほう様、こんばんは。

クロユリはこの山域では必ずと言ってよいほど見かけるようですね。
植生的には鏡平~双六の植生とよく似ていると思いました。
3日目は上高地に下りましたが、やはりお花が多いのは飛騨沢のほうだと思います。
2日目は雨もすぐにやんで、その後は風だけでしたが、暑さでばってることなく
それに仰られるように、ぎらぎら照り付けるという日ではなかったので、花の撮影には
向いていたと思います。

私はどうも暑いときに登ると、特に消耗するのですが、この日は寒いぐらいの気温で
登るには丁度良かったです。
最後のほうはシャッターを押す手がかじかんでうまく押せずに困りました。

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