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2016-05-16

サルメンエビネ

1年前にたまたま同じ山に登ったことからお付き合いが始まって、時折、四国の山や中国地方の山にご一緒させていただいているYさんご夫妻からサルメンエビネのことを以前からお聞きしていました。

折も折、4月半ばに膝の調子を悪くしたので、この足で行けるものかどうかお尋ねしたら、大丈夫でしょうとのこと。5月初めにYさんご夫妻がわざわざ下見をしてきてくださり写メールを送ってくださったのですが、今年はずいぶん花が早そうだとのことでした。

気温の高い日々が続いていたので、下見をしてきてくださったのは5月2日だったのですが、その3日後の5月5日に案内していただくことになりました。

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↑いちばん最初に見せていただいたのは群落をつくってない1株だけでしたが、次に出てきたのはこの日見た中でいちばん立派な1塊の株でした。

地エビネは今までにも何度か見ていますし、自宅でも10年近く前から植えているので、大きさは知ってましたが、ここのサルメンエビネは花丈が60センチはあろうかという堂々たる株で、それが5株も固まって咲いているので圧倒されんばかりでした。

P5052518

それぞれの花がよくわかるように、少し離れた場所にある別の1塊の群落を撮影してみました。

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ランの花と言うのは一体に造りが複雑で見れば見るほど驚くほど繊細な造りをしていますが、このサルメンエビネもどうしてこんな形をしなければいけなかったのか?と疑問に思うほど、不思議な形をしていました。

↑花の構造などがわかるようにマクロレンズでも撮影してみました。

花の上半分は淡い緑色をしていて、下半分・・・つまり唇弁は赤褐色とでもいうような色合いです。

一見、とても目立つ花なのですが、背景は山・・・つまり緑が多いので、遠目にそれほど目立つというわけでもないと感じました。

慣れれば、遠目にも発見できて、盗掘されやすいのかもしれません。

何しろ思っていたより大きい植物でした。

P5052543

↑去年からの葉っぱは越冬葉と言うらしいのですが、他のエビネの仲間も花期にはこの古い葉をつけていますが、その越冬葉が地エビネの3倍はあろうかと言う大きさです。

長さにして30センチはあります。

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こちらは少し離れたところで咲いていた別の群落ですが、こちらは花数はそれほど多くありませんので、かえって花が良く見えます。

P5052504

↑こちらの見事な株のほうは1株で花茎が2本上がっているものもあって、株は5株でしたが花茎は7本ありました。花も密についていて1本の花茎につき15個ほどもの花を咲かせています。

おまけに上の方には蕾がまだ3~5個見えています。

てっぺんまで咲きあがる頃には一番下の花が終わっているかもしれず、時期的にはベストの時期に見られたようです。これも下見をしてきてくださったYさんご夫妻のおかげです。

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群落でさいているものが4つほど、単独で咲いているものが4株ほどあったようで、全部で花茎は25本~30本ぐらいでしょうか。

中にはシカに食べられた株もあったようです。

株と株がくっついているのは自然に増殖したものと思われます。

P5052524

普通の地エビネは平野部にある里山など、気温の高い場所でも普通に咲きますが、サルメンエビネの自生地をいろいろ話を聞くと、標高1000m近い冷涼な場所に自生しているようで、この場所も例外ではありません。

訪れた日も、平野部はきっと夏日に違いないというような一日でしたが、サルメンエビネの咲いている辺りはひんやりとしていて、登っていてもそれほど汗もかかないような涼しい場所です

P5052609

↑こちらは最初の自生地から標高にして150mほど登った場所の株で、花はまだ咲き初めでした。

P5052640エビネ一般に言えるようですが、サルメンエビネも木の葉が堆積しているような栄養分の豊富な場所に自生しています。

沢の両側の斜面に生えているのが多い様で、やはり水はけも良く、それでいて雨が降れば水が流れるような場所に生えています。

下見までしてくださって、ベストの時期に案内してくださったYさんご夫妻には感謝してもしきれません。

コメント

keitann様 こんにちは
5月5日の花行脚では少しばかり早いのではないかと思っていました。
おまけに標高の高そうな場所でしたからなおさらそう思ったものでしたが、さには非ずでしたね。
花の適期にその場に居ることが出来て良かったですね。
それにしても随分勢いが良いものが揃いましたね。
上から4枚目の縦位置の画では根際の葉もしっかりとしていて、その思いを強くしました。
素敵な花姿の数々を、目と心で堪能させていただきました。

ぶちょうほう様、こんばんは。

このサルメンエビネは四国に自生のものではなく、中国地方に自生している
ものです。
例年だと5月半ばがちょうど見ごろだそうなので、今年は10日ほど早いという
ことですね。

下見してきてくださって送っていただいた写メールが、すでにかなり咲きあがって
いたので、お天気の良い早目の日に遠征してきました。
根生葉はどの株もかなり大きくて、エビネの認識がちょっと変わったほどでした。
この場所の栄養分がかなり良いのでしょうね。
因みに拙庭のタカネエビネも今年は冬の間にマグアンプを与えたら、数年ぶりで
花が咲きました。
初めてのサルメンエビネ見物で、こんなに素晴らしい花に会えたことに感謝です。

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