3年ぶりの北アルプスへ、その10、双六岳に向かう
軽く食べ終わったら、双六と三俣蓮華岳に向かってピストンに出かけます。
Rさんはサブザックを持参していましたが、私は今回はサブザックも持参していません。縦走用のザックから要らない食料や着替えを出すだけですが、それでもかなり軽くなりました。
↑双六小屋出発は8時53分です。
小屋のすぐ横手から双六岳への登山道が出ていますが、最初は結構な急登を登っていきます。
以前、この道で7月に見ているコガネイチゴの咲き残りがありました。
名前がなかなかわからず苦労した花です。
こちらは初めて見るかもしれないコケモモの果実。
今年はコケモモの花は九州の九重で見ることができました。
ゴゼンタチバナの果実も薄赤く色づき始めています。
少し登って振り返ると、先ほど歩いてきたトラバース道、そしてその後ろのほうに穂高のギザギザが見えてきましたね。
この日はRさんのご主人は西穂山荘からジャンダルムを経由して穂高岳山荘へと向かわれる予定ですが、さてどのあたりを歩かれているんでしょう?
いちばん難しい日が天候に恵まれて、縦走も成功間違いなしでしょうね。
急登を何とかやり過ごしたところで、ほっと一息入れます。
Rさんの後ろに穂高の峰々が見えています。
9時15分、双六岳の巻道分岐まで登ってきました。
いつもは7月に来るのでこの辺りはまだまだ雪渓が残っていて、コース取りが難しいところです。
その年の雪の解け具合で道がいろいろになっているので、小屋の方にルート状況をお聞きしないといけません。
今回は8月も末とあって、夏道はすべて露出しているので、コース取りの心配はないでしょう。
分岐周辺は砂礫地になっていて、こういう場所を好むトウヤクリンドウがたくさん咲いていました。
トウヤクリンドウは3年目前の黒部五郎岳への登りで数十年ぶりで見かけたのですが、今回はあちこちで見かけました。
双六岳方面へと登っていきます。
槍や穂高がだんだんとせり上がってくるのが嬉しくて、何度も見てしまいます。
双六岳には実は10年前の2007年に初めて登っていますが、その時は巻き道だったか中道を三俣蓮華方面へ歩いて、そちらから山頂を目指しました。雪が多かったので、通常の夏道はとても登れませんでした。
9時24分、中道分岐までやってきました。
2012年に三俣蓮華にピストンした時はこの中道を使っています。
今回は双六岳の山頂を踏みたいので、ここから直接稜線を目指して登ります。
↑こちらは2012年7月20日に双六小屋から三俣蓮華にピストンした時の中道分岐です。
双六岳の東斜面はべったりと雪がついています。
2012年の記事はこちらです。
また、2007年の双六岳ピストンの記事はこちらです。
7月半ばと8月末の違いが良くわかると思います。
この頃には陽射しを浴びたミヤマリンドウがぱっちりと開いてきました。
花は咲いてないけど、イワカガミのテカテカ光った葉っぱも見えています。
鷲羽岳やその後ろのワリモ岳、奥の水晶岳も手に取るように見えますね。
今から登る双六への道は雪に覆われているときには想像もつかなかった岩がごろごろした道でした。
かなり急な道を、先行の方たちがゆっくりと登っていきます。
見下ろすと、中道分岐から団体の方たちも登ってきます。
ハイマツの緑がまるでグリーンのじゅうたんを敷き詰めたようです。
途中、ミヤマダイコンソウが咲いていたので、槍をバックに撮影しました。
ミヤマダイコンソウの上の草のようなのはタヌキランです。
黄色いウエアの方が立っている辺りまで登れば、そこは山頂に連なる平原の一端になっているのでしょうか。
画像では大した事なさそうですが、実際は結構きつい登りです。
しんどいですが、槍穂高をバックに登っていますから、ロケーションとしては素晴らしいものがあります。
岩ごろごろの道につきもののイワツメクサが咲いています。
びっくりしたのは、こんなに標高が高くなってもウメバチソウが咲いていたことでした。
ここで標高は2700はあるでしょうね。
ウメバチソウは標高わずか100mもないような高知の里山にも咲くかと思えば、標高2700mの高山にも咲くのですから、その適応力たるやすごいと思いました。
シベがくるりとカールしているのはミヤマホツツジのようです。
翌日歩く予定の西鎌尾根が槍から伸びているのも見えてきました。
北を見ると野口五郎岳の奥のほうに山が見えていますがあれは何でしょう?
もしかしたら白馬方面?とも思いましたが、形が白馬とは違います。
翌日の西鎌尾根歩きで白馬が見えたので、この山が高妻山など新潟の山であることがわかりました。
双六台地と言われますが、登ってみるとまさに山頂は台地と言うにふさわしい平原になっています。
えらく背の低いハイマツに覆われているのは、ここがかなり強風が吹くからなんでしょうね。
ここにもトウヤクリンドウが咲いていたので、まずは鷲羽をバックに一枚・・。
「茫洋」と言う言葉が頭の中に思い浮かびました。
平原の向うに笠ヶ岳に続く稜線・・・。
乗鞍と御嶽も見えています。
10年前に来た時は展望がなかったので、こんなところを歩いているとは思いもしませんでしたが・・・
↑斜めになってしまいましたが、見慣れた槍や穂高もここから眺めると一味違います。
これから行こうとしている三俣蓮華方面・・・
まだ少しだけ雪が残っていますね。
平原とはいっても、山頂に向かって少しずつ登っているので、笠に続く稜線が次第にせり上がってきました。
これ以上開けないというほど開いたトウヤクリンドウ・・・
北鎌尾根のギザギザも真正面に見えています。
ちょっと不思議な光景でした。
西には朝のうちに眺めた白山と思しき山塊がここでも見えていました。
もうすぐ山頂と思いながら登っていると、岩陰でスマホを撮影している方がいて、「もっと笑って」とかなんとか言われました。
なんとこの場所は私たちが登るちょっと前にNHKで放映された絶景ポイントなのだとか・・。
Rさんにモデルになっていただきました。
10時20分、双六岳山頂に着きました。
10年前の登頂時には自分がどんな場所にいるのかさっぱりわかりませんでしたが、今回ははっきりと理解できました。(^_^;
こんにちは。綺麗な風景が続きますね。
さてpart4にお越し下さいまして有り難うございました。
引き続きpart5を宜しくお願い致します。14年目になりました。
投稿: 多摩ニュータウンの住人 | 2017-09-11 08:15
多摩NTの住人様、こんばんは。
そうでした、14年目に入ったのですね。
そんなに長くブログを書き続けてきたかな?と思ったのですが
数え間違ってました。
それでも15年目でも人生の約4分の1ですから長い間続けてきたには
違いないですね。おめでとうございます。
投稿: keitann | 2017-09-11 22:04
keitann様 こんにちは
素晴らしい天気でしたね。眺望は申し分のない一級品ですね。
こんな天気を当ててみたいものです。
ところで小生は双六小屋には泊ったことがありますが、双六岳には登っていないということがはっきりわかりました。
遠くから見た時にこの山体が丸っこく見えていたのはこの山頂部の所為なのですね。
「画像では大した事なさそうですが、実際は結構きつい登りです。」のところでは背後に立山も見えちゃってますね。
ここから眺める笠ヶ岳は近いだけに大きく見えますね。
投稿: ぶちょうほう | 2017-09-14 19:59
ぶちょうほう様、こんにちは。
北アルプスには、今までは7月に来ていましたが、眺望という点では7月よりも今回が
数段良かったようです。
私としては雪渓があって花々が咲いている季節のほうが好きですが、たまには展望を
楽しむ今回のような歩きも良いものですね。
双六岳は結構大きな山ですね。
私も10年前に登っていましたが、そのときは展望がなかったせいで、なんとなく広い
山頂だとは感じていましたが、ここまで広いとは思いませんでした。
7月の雪の多い時期だと、ルート取りが難しくて、登るのがついつい億劫になりますね。
登るならやはり夏道が出ている8月後半がベストのようです。
そうですか、あの画像中に立山も見えていたんですね。
双六から立山が見えると葉思っていなかったので、地図で確かめてみますね。
投稿: keitann | 2017-09-14 22:13