« オドリコソウの咲く瀬戸内の島へ、その6、両墓制と猫 | メイン | 真冬の天霧山、その1、朝うどん »

2009-01-17

讃岐の雑煮2、塩あん餅雑煮

1月も半ばを過ぎ、今更お雑煮の話題も恥ずかしいのですが、今年は子供時代に食べていた塩餅雑煮というのを結婚以来30年ぶり以上で食べましたので、少し記録しておこうと思います。

讃岐の雑煮といえば、甘い餡の入った餡餅雑煮が有名で、全国のお雑煮という話が出ると、必ずのように登場するお雑煮です。

因みに2年前の06年のお正月に、讃岐の雑煮と題して、餡餅雑煮の記事をこちらに書いています。

塩あんのお雑煮のことは以前から、少し気にはなっていたのです。

P1047392

画像は、その塩あん餅のお雑煮を食べることになったきっかけを作ってくれた、友人宅の囲炉裏風の長火鉢です。

話が長くなりますが、今年になって、なぜ塩あん餅のことを思い出したのかというと、暮れに私が餅つきをしたときのこと・・・実家の弟夫婦に実家用に私が作ったお鏡さんやあん餅などを取りに来てもらったのです。弟一家は岡山に住んでいるので、お正月に帰省する途中に立ち寄ってもらったというわけです。そのときに、弟が「昔、うちで食べていたお雑煮は塩あんの餅だったよな」と言うのです。そうそう、私の実家ではお正月は塩あんのお餅が入っていたものでした。因みに弟のお嫁さんは高松生まれの高松育ちの人なので、甘い餡入りのあん餅雑煮しか知らないそうです。

そして私の住んでいる中讃地方でもあん餅といえば甘い餡のことで、主人も塩あんのお餅は食べたこともないし、見たこともないといいます。私の知人の農家をしていてお味噌も麦茶も全部手作りするという市内在住の80歳の方も塩あん餅は作ったことがないそうです。ということは、塩あん餅というのは、鳥坂峠から西の西讃地方特有のものらしいです。

P1047396 たまたま、1月4日、高校時代のバレー部の同期の仲間4人で集まることになりました。

仲間の1人が築70年以上になるという古い家を改装して、暮らしていて、彼女の家に集まることになったのでした。

リビングには囲炉裏のように大きい長火鉢が作りつけてあって、友人のご主人がお餅を炭火で焼いてくれました。炭火で焼くお餅なんて、一体何十年ぶりでしょう?

因みにその日のお昼ご飯は、仲間の1人の知人の方が一人当たり1000円で作ってくださったというお弁当でした。

P1047382古い家を改装したという友人宅の玄関です。

建具などは古いものを利用しているとか・・。

P1047387 お座敷はほとんど昔のままだそうで、友人宅の満18歳になるという老猫ペコが縁側で日向ぼっこをしていました。

P1047400最後に、私が当日朝に焼いたシフォンケーキを切り分けて食べます。

生クリームもホイップして持参したので、なかなか豪華なデザートになりました。

このとき、ふと塩あん餅の事を、仲間たちに尋ねてみようと思ったのでした。

バレー部の仲間はみな西讃出身です。昔は塩あん餅のお雑煮を食べていたけど、他の子の家ではどうだったか尋ねてみると、やっぱり塩あん餅を作っていたし食べていたそうです。うちの実家でも私が中学生か高校生の頃までは塩あん雑煮だったはずです。

仲間の1人の家ではいまだにお姑さんは塩あん餅入りのお雑煮でないと駄目だそうで、お舅さんは普通の甘いあん餅雑煮、息子さんは白餅雑煮なのだそうです。昔は餡を炊くときに小豆を炊いて、半分は砂糖を入れて砂糖餡に残り半分は塩を入れて塩あんを炊いたもので、どこの家庭でも塩あん餅は必ず作っていたのです。

でも、今では自分の家で塩あんまで炊く家は少なくなったようで、私の実家でもいつの間にか塩もちを作らなくなったようです。

仲間の1人がこの日教えてくれて、観音寺の「かなくま餅」という店で今も塩あん餅を売っていると教えてもらいました。

そこで、数日後、実家に行く用事があったので、足を伸ばして「かなくま餅」まで塩あんのお餅を買いに行きました。運良く、たった二個残っていた塩あん餅を買うことが出来ました。

P1107772

パックに入った塩あん餅です。

かなくま餅では売り切れでない限り、毎日、おいてあるそうです。

因みに「かな熊餅」はもともとはお餅や赤飯を売っていたお店ですが、今ではうどんでも有名で、特にお餅の入った雑煮うどんが食べられる店としても有名です。

お店の人に尋ねたところ、やはり観音寺など西讃では今も塩あん餅はかなりポピュラーな食べ物で、お雑煮も塩あん餅でという家も多いとの事です。

P1107771 パックの中には包装された塩もちが入っています。通常は5個入りとの事でしたが、何個からでも売ってくれるそうで、一個100円でした。

P1107777 自宅に帰って早速、しお餅雑煮を作ってみました。中のあんが見えるようにしてみます。

お砂糖で作った甘いあんは照りがあって黒々としていますが、塩あんは色も白っぽくて見た目もあっさりしていますが、食べてもあっさりとした塩味で、私は甘い餡のお雑煮よりも昔から塩あん雑煮のほうが好みで、子供の頃から白もちか塩あん餅のお雑煮を作ってもらっていました。

因みに主人は勧めても塩あんのお雑煮は食べませんでした(^_^;主人の親兄弟は全員が甘い餡入りのお雑煮でないと年が明けない人ばかりなのです。

たぶん私が大学生の頃から、実家でも作らなくなってしまった塩あん餅のお雑煮を食べるのは実に数十年ぶりで、ほんとに懐かしかったです。

インターネットで調べても讃岐の雑煮というと甘いあんこ餅入りの雑煮ばかりが出てきますが、三豊・・鳥坂から西の地方では塩あん餅のお雑煮を食べるのがごく普通だったということを記録しておこうと思うのです。狭い讃岐ですが、西と東では風習も違えば、食べ物もずいぶん違うもので、ほんとに面白いです。

コメント

私は豊浜町出身です。子供の頃は子供ながらに甘い雑煮が苦手で、塩あん?あんこ?どっち?と母に聞かれるといつも塩あん入の雑煮をついでもらってました。嫁いでからも、塩あんの好きなのを知っている母は、お正月の挨拶に遊びに行くと決まって塩あん雑煮を出してくれます。お見上げにも、もちろん塩あん餅を持たしてくれます。母も年をとり、いつまで作ってもらえるかわからないので、今年は自分で挑戦しようとネットで調べていたらこちらに伺いました。

ミルクママさん、こんばんは。
豊浜町のご出身なんですね。

香川は甘い餡餅雑煮が有名ですが、鳥坂峠を越して西に入ると(つまり三豊)塩餡のお餅がありますよね。
今でこそ、実家では作らなくなりましたが、私が子供の頃は塩餡のお雑煮がお正月の定番だったように思います。
私の場合は、白餅が好きなので、塩餡でも甘いあんこでもなかったですが、それでもたまに塩餡のお雑煮も食べていましたよ。
ご実家のお母さんがまだお餅をお土産にもたしてくださるということはお母様はまだ若くてお元気なんですね。
うちでは、5,6年前から御餅つきは娘の私のところでつき(機械ですが)母のところに持っていくのが決まりになりました。
母娘の力関係がいつしか逆転して、何となくしみじみ感じるところがあります。
ミルクママさんも、そのうちにお餅を自分で搗いて、ご実家に持っていかれるようになりかもしれませんね。

コメントを投稿

フォトアルバム
Powered by Six Apart

私のもうひとつのブログです。よろしく

更新ブログ