3年ぶりの北アルプスへ、その20、雨の中、飛騨沢を下る
下山の日も4時ごろには目覚めました。
トイレへ行くついでに小屋の外へ出てみたら、雨が降っているしガスも出ているようです。
2011年の槍からの下りを思い出しましたが、雨はそれほどひどくはないので、南沢の渡渉もたぶん心配ないでしょう。
この日はフリーズドライのにゅう麺を朝食代わりに食べようと思っていたのですが、槍ヶ岳山荘では宿泊者が多いせいか、さすがにお湯の用意がありませんでしたので、代わりにチョコバーとナッツを食べます。Rさんは小屋でもらったお弁当を食べたようですが、これがおこわでずいぶん腹持ちが良くて助かったようです。
最終日は最初から雨具の上下を着こんで出発です。
ヘッドランプはなんとか使わずとも下れる明るさです。
しかし、最後に槍ヶ岳山荘を撮影しようとしても、ブレブレで画像になりませんでした。
槍ヶ岳山荘を出発したのは5時10分です。
↑ガスの中、下ってくるRさん夫妻を撮影したつもりですが、暗いのとガスのせいでブレブレもいいところです。
Rさんは最初から一眼カメラはザックの中に仕舞い込んだようです。
私は?と言えば、今度のカメラは防塵防滴なの、相変わらず首からぶら下げているのですが、撮影条件が悪くて、とろくな画像は撮れず、記録程度ですね。
前方を二人の方が下っているようです。
このコースは人がどんどん歩いているコースではないのですが、それでも時折、人を見かけます。
この季節でもオンタデやシオガマの花が咲いていてちょっとしたお花畑です。
私が前にこのコースを下った2011年もこの辺りはハクサンイチゲなどのお花畑でした。
その時の記録はこちら。このときは風雨とも強くて、着ていた雨具が風邪の当たるほうだけずぶぬれになり、雨具としての役目を果たさずずぶぬれになったのです。靴の中もすぐに濡れてしまい、全身、ずぶ濡れで最初から最後まで歩くことになったのです。考えたら初めてのアルプス単独行で初めてのコース、それが強風と大雨だったのですから、この時の山行は人生でいちばん印象に残っている山行です。
今回は雨がそれほど降っていなかったので心理的に楽だったのと、一人ではなくRさんご夫婦といっしょだったので、安心して下ります。風は相当強いのですが、それも200mほど下ってくるとかなりましになりました。
飛騨沢上部は風を遮るものがないので、いつ歩いても風の強さを実感します。
5時41分、標高2800m地点を通過します。
ウサギギクも咲いていて、飛騨沢はやっぱりお花の多いところです。
しばらく下ったら、上のほうに稜線が見えてきました。
昨日歩いた千丈沢乗越方面のようです。
5時54分、標高2700m地点を通過。
以前歩いた月末と違い、夜明けが遅いので、6時前でも辺りが薄暗いです。
目の前を初老のご夫婦が下っていたので、失礼して先に行かせていただきます。
私たちが人を追い越すのは珍しいのですが、この天気では撮影もできないので自然と速足になります。
6時6分、標高2600m地点通過です。
1時間足らずで400mを下ってきました。
確か千丈分岐は標高2500ちょっとと思いますので、もうすぐあの救急箱が見えることでしょう。
案の定、6時15分に千丈分岐に着きました。
Rさんが中身を確認しています。
雨が降ってるせいで喉も乾きませんが、少しだけポカリを飲みます。
千丈分岐に一際鮮やかなブルーで咲いていたトリカブト・・。
10分後の6時24分に、再び下り始めました。
今度は槍平小屋を目指して下ります。
千丈分岐から下はザレ場はなくり樹林帯に入ります。
ヒョウタンボクが花ではなくて、すでに赤い実になっているのを見かけました。
二個ずつくっついているのがヒョウタンボクの果実の目印です。
西には中崎尾根が見えてきました。
いろいろな木々が登山道の傍らに出てきました。
樹林の中なので、雨がましになってます。
大きく谷側にしなだれたダケカンバの木々。
降り積もる雪の重みのせいですね。
何か木札に書いてあると思ったら「最終水場」の文字。
下りは水もそれほど必要としないけど、夏場の登りは少しでも荷を軽くしたいので、ここで水を確保できると有難いですね。
道沿いにサラシナショウマも出てきて、かなり下ってきたことを実感します。
キオンを見るのも2日ぶり?
ボケボケですが、キヌガサソウが緑に変色したのも見ました。
2013年、ここを登った時にきれいなのを撮影しているはずです。
秋の花…ゴマナも今年の初見でした。
広島の比婆山で秋になると見かけていますが、意外と標高の高いところにも咲くのですね。
四国では見かけない花なので、貴重です。
それほどひどい雨ではないのですが、それでも山の斜面のところどころから水が流れ出し、沢状態になっています。
平らな場所に差し掛かったと思ったらそこが槍平です。
テン場が見えてきました。雨のやむのを待っているのか、テントが一張りだけ残っています。
2011年には南沢が増水して渡渉できなくて、エスケープルートとして奥丸山を越えてワサビ平に下山しました。
ここがその奥丸山への分岐で、7時41分に通過します。
小屋はすぐそこのはずと思ったら・・・
赤い屋根が見えてきました。
7時43分、槍平小屋に下ってきました。
1時間以上歩いたので、ここで休憩を入れることにします。
熱々のコーヒーも飲みたいですね。
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