四国の海沿いにある我が家は夏ともなると7月末から8月いっぱい35℃という猛暑が続く。
この暑さでは育てられる花も限られている。そこで、夏は毎年、飽きもせず同じような花ばかり咲かせている。
その一つがゴジカの花。
讃岐の平野部では田植えの水を満濃池などのため池に頼っているので、田植えは池のゆる抜きが終る6月10日過ぎに一斉に行うことが多い。
しかし、県境に近い山里では水事情が違うので、田植えを4月末から5月にかけてのゴールデンウイークにするところが多いようだ。山里では山から流れてくる豊富な水が田畑を潤すのでため池の揺る抜きなどは関係ないのだ。
田植えが早い分、刈り入れも当然早く、早いところでは8月中旬に稲刈りをするみたいだ。
地球温暖化のせいか、8月末といっても平地では35℃近い猛暑が続いているけど、山では確実に秋の花々が咲いているはずだ。
午前中は用事があったので、午後から車で一っ走りしてきた。
半日しかないとなると、近くの低山に登るか県境の山のピーク付近まで車で登り、あとは山頂付近を散策するか・・。徳島まで走って、三嶺の登山口を確認しておきたいという気持ちもあったが、そこまで足を伸ばすと帰宅が遅くなるかも知れない。
ハンドルを握りながら、忙しくあれこれ考えてみるが、結局、行きなれたいつもの山に。
先週末から津田沼の姪が泊まりに来ていた。
折りしも猛暑のただなかだったので、少しでも涼しいところへと思い、娘と姪、私の3人で山方面に滝を見に行く。
私だけならば、夏場は滝だけを見にわざわざ行く事はなく、山に登るついでに滝を見るという感じだけど、娘は山歩きはしないのでこの顔ぶれでは山登りは無理。
うどん屋を二軒梯子した後、お目当ての滝に着いた。
暖かいコーヒーが飲みたいほど寒いし、展望もガスのためにゼロなので、Rさんと合流してすぐに下山し始める。山頂は天気がよければ360度の大パノラマなのだが・・。
Rさんが、木道先に花が咲き乱れていて綺麗だったと教えてくれたので、ちょっとだけ寄り道してみる。
午後12時45分、尾根道と巻き道との合流点から今度は剣山山頂に向かって進む。
尾根道は四国笹が一面に繁った笹原である。
視界がよければ笹原の中を伸びている道が見えるが、ガスのため視界は50mほど。
ニの森、三の森を経て50分弱で剣山山頂に至る。
岩場に咲くキレンゲショウマは何の加減か花の時期が遅いようで、まだまだ咲いている株が多く蕾も残っていた。
去年もここを通っているはずだけど、去年は時期が早くて岩場のほうは咲いてなかったのだろう。
ガスの中で咲いているキレンゲショウマを見ていると「天涯の花」という言葉が自然に浮かんでくる。こんなに美しい花が自然に咲くと言うことの不思議さ。キレンゲショウマにを青空をバックに撮ったことはないが、こうしてガスの中で幻想的に咲いているのがいちばん似合っている。
キレンゲショウマは刀掛けの松から5分ほど歩いたところで行場方面に下る道が出ていてそこから下るとすぐに群生している。しかし開花時期は人が多いので去年ぐらいから一方通行になっている。トラバース道をそのまま進み10分ほど歩いたところで下るのだ。標識はしっかりしているので問題ない。
そしてキレンゲショウマの時期にやはり咲いているのがソバナ。
四国では私はここでしか見たことがなく、(石鎚でも咲くかもしれないが)毎年、ここでソバナの花も楽しむことにしている。
刀掛けの松で左に折れると途端に人を見かけなくなった。
これが7月末から8月初めのキレンゲショウマの時期だと、関西方面からバスを仕立てて花見物にやってくるので、このあたりから既に人が多いのだ。ところがお盆を過ぎると事情は一変する。ツアーなどは花が終るといけないので、確実に咲いている8月前半までしか出ないようで、お盆過ぎには私のように個人的に見に来るものだけになる。
という訳で人込みの嫌いな私にはぴったりの静かな山歩きになりそうな予感。
最近のコメント