槍穂展望の山旅、その17、山旅の終わり
さすがにわさび平で休んでいた登山者の人たちも、皆、登って行きました。
私たちも最後の林道歩きです。山歩きの最後が林道歩きというのはよくあることですが、それまでの緊張もほぐれるからか、どことなくけだるい歩きになることが多いですね。
口数も少なく、それでも見残した花を見るつもりで歩き始めます。時刻は11時半です。
さすがにわさび平で休んでいた登山者の人たちも、皆、登って行きました。
私たちも最後の林道歩きです。山歩きの最後が林道歩きというのはよくあることですが、それまでの緊張もほぐれるからか、どことなくけだるい歩きになることが多いですね。
口数も少なく、それでも見残した花を見るつもりで歩き始めます。時刻は11時半です。
鏡平山荘ではほかの皆さんは出発された後で(そりゃそうでしょうね)、スタッフの方々が後片付けされています。
山荘の入り口で、偶然にも去年お世話になったドクターにお会いしました。Kさんが熱中症か何かでひどい状態に陥って、どうにか小屋にたどり着いたときに、薬などを処方してもらいお世話になった方です。今年もまたカメラの機材を荷揚げするために、前日に登ってきたそうです。一年前にお世話になった小屋の方といい、こうしてまた元気で同じ山で会えることの不思議さにびっくりしました。
そして、新穂高まで下るだけというのんびりした予定の私たちは、小屋の前で槍を見ながらモーニングコーヒーを飲んだ後、下山にかかることにしました。
翌朝、4時、携帯のけたたましいアラームの音で、一気に目覚めました。
起きると同時に、窓から外を見ます。やった~。晴れているではありませんか。それも雲ひとつなさそうです。
Kさんも起きました。同じ部屋で寝ていた東京からのパーティーの人たちは笠が岳に行くそうで、5時起きと言ってましたが、何人か起こしてしまったようです。申し訳ないですが、この朝の眺めを見られるのですから、早起きも悪くはないはずです。
雨具の上衣を着込み、急いで下に下りて靴を履きます。日の出と槍穂を見るために稜線付近まで登るのです。
その夜の双六小屋は、結局、夕食時に食事をしていた人が10人足らずと、いたって静かでした。自炊の方もいたでしょうが、それでも、去年に比べてもずいぶん少ないです。どうやら翌18日の予報が前々から雨と出ていたので、山登りを控えた人が多かったようです。
食事のときに隣に座られた方は福井からの単独の男性で、北アルプスをよく歩かれているようで、剣岳に登るなら早月尾根もいいよなどと、アドバイスいただきました。もっとも、剣は昔登っているので、ふたたび登るかどうかは疑問ですが・・。
18日の天候が良ければ西鎌尾根から槍に登り槍平経由で新穂高に下りるというのも考えないではなかったですが、2000mの下りの後の林道歩き2時間半はちょっときつそうです。
8時頃就寝しましたが、天気が気になって、前の日ほどはよく眠れませんでした。雨は夜中もかなり強く降りました。
翌朝は一応4時に起床しましたが、今度は予報も良く当たって、しっかりと降っています。朝食は頼んでいなかったので、もう一度眠り、7時頃に下に降りていくと、わさび平で一緒だった熟年パーティーの方々が出発するところです。三俣蓮華まで行かれるそうです。
この雨ではどこかに登っても、何も見えないので、それならば鏡平まで下ろうということになりました。私もKさんも昔は風雨の中を嫌でも歩いているので、ピークハンター的な歩きは、もうどうでも良くなっているのです。
小屋に残られていた単独の男性がいらっしゃって、その方はもう1晩双六小屋に泊まり、翌朝の晴れを期待するとのことで、一緒に残りませんかと言われました。なんでも鏡平を経由せずにシシウドが原へ雪渓伝いに下山すれば早いとのことです。しかし、翌朝の晴天の保証がないので、考えた末、丁重にお断りします。
双六小屋に着いたら、宿泊の手続きをします。朝食が6時だということで、あまりに遅い時間なので、朝食は頼まずお弁当だけ頼みました。
その時点では宿泊する人はあまり多くはなさそうでした。部屋は去年は二階の突き当たりだったのですが、今回は階段を登ってすぐの部屋で、ベッドは二段になっているようです。
少し一服したら、双六にピストンすることにしました。出発したのは14時ちょっと前でしょうか。
Kさんは稜線を歩いている間は、樅沢岳にピストンしたいと言っていたのですが、気が変わったのか双六に行くことになったのです。
小屋の受付の女の子に尋ねたらルートは去年と同じで、春道を行ってくださいとのこと。
ノウゴウイチゴの咲くそばには、待望のクロユリが咲いていました。
それも去年見たのよりずっとたくさんのクロユリです。途中ですれ違った若者に「クロユリは咲いてました?」と尋ねたら「気がつきませんでした」と言っていたので、今年はクロユリが見られないかと、内心がっかりしていたのです。
花見平では10分ほど休憩します。
相変わらず、誰も後ろから来ないし、双六側から歩いてくる人も全然いません。
この日、鏡平から双六小屋までで会ったのは、たった5人でした。人の多い夏山まっただ中を日程を2,3日ずらしただけで、これほどまで静かな北アルプスを楽しめようとは・・。
トラバース道沿いにも様々な花が咲いていて、眺めは良いし、花は多いしで、ついつい何枚も写真を撮ってばかりで、Kさんを待たせることになり、一寸気の毒な事をしました。
私に構わずにどんどん先に進んでいて、と言っているのですが、やはりあまり間隔が開き過ぎると、待ってくれているようです。
ここで初めて、キバナノコマノツメが咲いていました。
おなかもいっぱいになり、デザートのミカンも食べたところで、そろそろ出発です。
すでに日は高く登っており、これからは森林限界を超えるので、日焼け止めをしっかり塗って、私も嫌いな帽子をかぶります。最近の方は皆さん長そで、帽子で完全防備されますが、私はどうも昔ながらの牧歌的な山歩きの習慣が身についていて、暑い時には半袖シャツで歩くほうが好きです。
鏡平でトイレを借りるというKさんを待つ間に樅沢岳方面を写しました。
北アルプスの記事更新の前に、一言だけ、記しておきます。
今日、アクセス数が200000を超えたようです。検索から来られた方が多いようですが、正直、これほど長く続くことになろうとは、自分でも意外でした。いまのところ、山歩きにも花を見ることにも、まだまだ夢中なことには変わりませんので、これからも何か深刻な事態が起こらない限り、ブログ更新が続くと思います。どうぞよろしくお願いします。
さて、記事の続きです。
シシウドガ原と思われる箇所を越えて、再び、樹林の中を登り始めます。
この付近から、いろいろな花が多くなります。
秩父小沢を通過すると、道は樹林帯の登りになります。
かなり急な登りもあったりして、鏡平までの道では、一番きついところかもしれません。
一方、秩父沢で休憩中に日が射し始めたので、樹林の中の歩きは直射日光に当たらずに済むので、その点は助かります。
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