北アルプスから帰ってきて2日目に、借りていたピッケル(後輩用に借りました)をお返しするために、山友達のTさんに会うことになりました。このときはまだ梅雨明けもしていなくて、お天気がどうだかわからなかったので、山とは関係のない場所でお会いする約束になっていたのですが、その日は朝からどんどん天気が良くなって、9時過ぎには青空が広がってきました。
そうなると、俄かに山が恋しくなって、Tさんに「山、行きましょか?」と連絡すると、Tさんも「会った後で、山に行くつもりだった」とか・・。というわけで、即、山方面に向かって走り出したのでした。
双六小屋では小部屋に通されましたが、夕方近くなって単独の若い女性が一人入ってこられました。今まで南アルプスでは大部屋にしか泊まったことがなかったのですが、前夜の鏡平小屋といい、双六小屋といい、北アルプスはちょっと事情が違うようです。
しkし、一人増えても、まだまだゆっくりと寝ることができます。これがシーズン中は小屋に100人以上が泊まるので、混み合って大変でしょうね。私たちが毎年夏休み前に入山するのは、小屋が混み合わない季節ということもあるのです。
三俣蓮華岳への巻き道沿いにしばらく進むとサンカヨウが1株だけ咲いていました。
サンカヨウは雪渓が融けた後に、直ぐ芽だしをして咲き始めるようで、サンカヨウの花が咲いているところは、雪渓が融けて間もないところだな~とわかります。
しかし、この辺りはすでに標高2700近くありますから、ずいぶんと高い場所でも咲くものです。去年の北岳でも確か2800とか2900ぐらいで咲いていましたっけ。
お腹もいっぱいになり、コーヒーも飲んだので、そろそろ双六岳山頂に向けてピストンです。ピストンというのは山用語で、大きなリュックは置いて、水や行動食、地図など最低必要限のものだけもって、山頂まで往復することを言います。
ほんとはナップザックのようなサブザックがあればいいのですが、私は今回は持参してないので、ウエストポーチに必要なものを詰め、Kさんはウエストポーチも持ってなかったので、リュックの中の要らないものを出して、リュックで出かけます。途中までは夏道を上がって、途中からは雪渓を上がると良いとドクターに聞いていたので、ピッケルが要ると思ったのですが・・・・。
お花畑と雪渓の間を縫いながら、双六小屋へと向かう道がまた素晴らしいです。
咲いているのはクロユリ、ハクサンイチゲ、コイワカガミ、ミツバオウレンなどですが、その他にもほかではあまり見なかった花が咲いています。
私が持参していた「山と高原地図」のルートでは鏡平から双六岳方面に行く際には一旦、弓折岳を登り、その後、稜線を北上すると直ぐに花見平に出るように書かれてありますが、登山道に沿って進んでいると、いきなり花見平に出ました。
登山道沿いには花が途切れることなく咲いていて、撮影が大変でした。
前回と前々会の仙丈ケ岳や北岳の時にはカメラを持参しなかったKさんですが、今回は息子さんのデジカメを借りてきたそうで、私ほどしょっちゅうは撮りませんが、それでもかなり撮影しているようです。私も去年は以前のデジカメで撮影に時間がかかりましたが、今度のLUMIXはバシャバシャ撮影できるので、あっという間に100枚も200枚も撮影してしまいました。
鏡平の小屋からは標高にして200mも登れば稜線直下と思われる場所に出ます。普通に歩けば40分ぐらいの登りを、昨日撮影できなかった分を取り返そうとばかり、私たちは1時間もかかって登ります。途中、双六小屋から下ってきたと思われるパーティー2,3組に会いましたが、何れも単独か2~3人の小規模なパーティーばかりです。
山道沿いには高山特有の花たちが出てきました。
二時ごろに目ざめてからは寝付けなかったので、翌日の行動をどうするか、考えたりしました。前日、小屋の方に、19日は予定としては笠が岳方面に行く予定ですと言ったところ、笠が岳まではルートが雪に覆われたところがとても多くて、アイゼンも12本爪でないと危ない、とのこと。ましてや、同行のKさんの体調が悪いのでは、それ以前の問題です。このまま鏡平の小屋で連泊して双六岳までピストンするか、それとも双六小屋まで歩いて、20日に双六小屋から新穂高まで下るか?いろいろ考えますが、すべては20日のKさんの体調如何です。
やがて夜が明けたらしく、辺りが明るくなり始めました。
秩父沢は橋がかかっていれば、5分もあれば通過できる場所ですが、雪渓を80mも高巻きしたので、それだけで30分ほどもかかってしまいました。雪渓の融けた場所からはいろいろな植物の芽生えが確認できます。イタドリも芽も確認できるので、イタドリヶ原が近いのかも知れません。通常の登山道に下ってくると直ぐにもうひとつの小さい沢を渡ります。この沢は清冽な流れで、秩父小沢というようです。地図上で水場と表示されているのはここのようですが水分はまだたくさん持っているので、補給はしません。道は再び、石の積まれた道となって、これを登ります。
最近のコメント