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2005年7月

2005-07-30

パイナップルリリー、開花

今朝早く、雨が少しだけ降ったようだ。朝起きると、地面が濡れていた。

午前中は曇っていて、それだけでも暑さがかなり違う。昨日までは午前10時ぐらいには相当な暑さだったけど、今日はまだ我慢できる。

畑に出たら、パイナップルリリーとニカンドラが開花している。

dsc00968 まだ二輪ほどしか咲いてないけど、一つ一つの花も良く見るとそれなりに可愛い。そういえばこの花、去年は種をつけていたのに、採取し忘れたんだった。こんな花がたくさん咲くのも壮観だろうなぁと思ったんだけど。球根花は種をつけないように思われがちだけど、そんなことはなくて、うちではアヤメもジャーマンアイリスも水仙もクロコスミアも種をつけている。

dsc00964 この淡いブルーの花、ニカンドラはもう4年程前に山陰の花友Bさんに種をいただいたもの。わざわざ種まきした年は草丈も1m近くなって、大きな花が咲いた。その後、こぼれ種で育つと言うので、種まきはしてないが、ほんとに毎年、こぼれ種で花が咲く。ただ、花がうまく開かないようなのは、なぜだろう?この花は私が無理やりに花びらを広げたもの。

dsc00962 中庭では最近になって、ブータンルリマツリやこの白い小花のフウロソウが花つきが良くなった。

ほんとは植え替えをすべきなんだけど、最近の猛暑でためらっている。

はっきりとした名前がわからないけど、花も可愛いし、丈夫だし、いい花だね。

dsc00981sこの白いフウロのポットはこのリシマキア・コンゲスティフローラの鉢の中の土の上に置いてあったんだけど、ポットをどけたら、なんとリシマキアの戻り花が咲いていた。鮮やかな黄色だ。隣りのピンクの小花は我家では毎年、あちこちから出てくるハゼラン。雑草だけど、花が可愛いので、少し残すようにしている。

2005-07-29

カナダのお土産

昨日、昔の山仲間、Iさんから荷物が届いた。

すっかり忘れていたけど、カナダで見つけた防虫衣をお土産に買って帰るからとメールをもらっていたんだった。

dsc00961 養蜂家が着るようなすっぽりと上半身が隠れるようなパーカーだ。

今年はブヨが山でたくさん発生していたから、そういうときにいいかも知れない。それにやぶ蚊がいっぱいいるときの草抜きにもいいかなぁ。

Iさん夫婦は夫婦ともに山仲間なので、上京したときなど、横浜の彼女のマンションに泊めてもらうこともある。そんなときは昔の山の思い出話に花が咲いて楽しい。

長かったカナダでの赴任が終って、帰国したばかりなのだそう。もっとも、Iさんのほうは日本とカナダを行ったり来たりだったけどね。

二年程前に話したときは、もう山小屋やテントでの生活は出来ないだろうと言ってた。

山は寒いし、雨に降られると悲惨だからとも・・。

でも、最近、夫婦で秋田駒に行こうかという話が持ち上がっているのだそう。

私もせっせとけしかけたよ~。秋田駒は実際、八合目までバスが入るので、登りの時間は最低で済ませようと思えば、1時間ちょっとでも済む。しかも下山するといたるところに温泉があって、温泉好きにはたまらないだろう。

dsc00036 上の画像は去年の秋田湖まで見たニッコウキスゲ。

何でもご主人のM君のほうが、最近、高山植物に興味を持ち始めたそうだ。

今日の話ではカナディアンロッキーでもチングルマを見かけたとか。

私もうんと昔、カナディアンロッキーの麓ぐらいは通ったっけ。レイクルイーズのほとりのヒナゲシの咲き乱れる眺めはまるで絵葉書だと思ったけど、山の花の記憶はついぞない。

Iさん夫婦とも、また山に登れるように、いやいや、当時の仲間みんあで登れたら、どんなに素晴らしいかと思う。

dsc00899 買い物帰りに、久しぶりで川の土手に立ち寄ったら、早くもセンニンソウが咲いていた。

戻り咲き

7月後半から雨の降らない日が続いている。

今日から2,3日間は天気予報ではかさマークが出ているが、当たるといいのだけど?

水遣りの日々がまた続いているわけだけど、不思議と、この乾燥が続くと言うのは草花にとってはどれほどダメージを与えないものらしい。少なくとも7月最初の土砂降りが続いた頃よりははるかにいいようだ。雨が続くと、それまで咲いていた花も咲かなくなった。特にナデシコ類やブルーファンタジー、ランタナなどは花が汚くなったり、花がつかなくなったり。

今は、ニオイバンマツリ、ランタナ、ルドベキア、キンケイソウ、ガウラなどがそこそこ咲いている。

dsc00867 オキシペタラムも一休みしていたのが、ここにいて開花し始めた。この猛暑のわりにはブルーの色があまりぼけていないのは日陰に置いてあるのがいいのだろうか?

dsc00878 このなんとも青々とした葉っぱはニコチアナライムグリーンの葉っぱだよ。一昨年、昨年と、濃ピンクのニコチアナを育てたのだけど、今年は宿根したもののその後の調子が悪く、抜いてしまった(種は保存してある)代わりという訳ではないけど、ニコチアナ・ライムグリーンがよく育ってくれた。これはかなり大きくなるようなので楽しみだ。

dsc00874 この白い花は勿論、ガウラだ。

一昨年、植え付けたものだけど、冬は地上部がなくなるし、今年は新芽が出るのが遅かったので、消えてしまったと諦めていたら、つい一ヶ月ほど前に新芽を発見。今ではまずまずの大きさになって花をたくさんつけ始めた。まったく、強い花だね~。

後方に見えるススキみたいなのは一昨年秋に処分苗を購入して植え付けたパンパスグラス。今年はえらく大きくなって、私の背丈を越したよ。去年は花穂をあげなかったが、今年は既に花穂らしきものが上がっている。それにしても、こんなに大きくなるとは思わなかったので、植え場所を失敗した。

シロヤマブキとの間にスペースがなくなって、通路が塞がれそうだ。やばいね。

dsc00793 これもそろそろ終りかなぁ。

ヤブカンゾウだと思うが、これもクロコスミアとともに、我家に昔からあった花。私が植えたものではない。中庭にあったものを、もう10年程前に畑に移したものだ。山に行くと、ちょっとした草むらに生えているのを見かけるけど、シャガなどと同じで、自生しているのか植えられているのかちょっと判別し難い花だ。

2005-07-27

センニチコウ開花

台風が去って、朝から抜けるような青空が広がった。

昨日から空気が澄んでいて、今の時期には珍しく山々がくっきりと見えている。

夕べは星も綺麗だった。こんな日は、山登りには最適の日に違いない。

花たちに水を遣るために外に出る。キキは相変らず、帰ってこない。

倉庫の中をもう一度念入りに捜してみるがいない。

畑では猛暑にもかかわらず、いろいろな花が戻り咲きしていたり、新たに咲き始めたりしていて、7月初めに比べると賑やかだ。

dsc00823 センニチコウが咲き始めている。5月初めに種まきしたものだから、3ヶ月もしないうちに開花したことになる。このセンニチコウはこの辺りでは「ボンサンバナ」と呼ばれている。丸い花なので「坊さん花」というのが訛ったらしい。ずいぶん丈夫な花で昔は白と濃いピンクの二色しかなかったように思うけど、今ではぼかしの花色が出ていて、これは優しい雰囲気で好きなので、ここ数年、毎年育てている。

今はこのくらいしか咲いてないけど、あと半月もすれば、地面が見えないほど繁る筈だ。

dsc00786 イチジクもなんだってこんなに元気がいいのだろう?と思うほど繁ってくれる。うちではイチジクはあまり食べないので、去年は夏場に枝を刈り込んだけど、今年はさぼったら、早くもいっぱい実をつけているよ。

後ろに見えてる黒い点々はシロヤマブキの黒い実だよ。

dsc00815 ハーブコーナーのボッグセージとチェリーセージも今を盛りと咲き誇っている。ボッグセージはもともと湿地や沼に生えていたセージなのだそうで、水切れするとすぐにくたっとなるので、これだけは水遣りを欠かせない。

両方とも私の背丈を越えるほど繁っているが、このチェリーセージに囲まれるように、やっぱりチェリーセージの仲間だけど、ヤメンシスイエローが咲いている。

2005-07-26

いなくなったキキ

飼い犬のキキがいなくなった。

一昨日、ここで書いたように、足を傷めてしまい、餌をあまり食べなくなったのだった。

朝、キキのところに行くと、主人がまたロープが絡まるといけないと思ったのか、放し飼いにしてあった。

昨日は何とか立ち上がれるようになったのだけど、朝から、餌も水も受け付けなくなった。

いつも繋いである車庫のほうから、芝生のほうに抱きかかえて連れてきた。

dsc00789 上の画像は、昨日、芝生庭で横になっているキキを撮影したもの。

牛乳をスプーンで口まで持っていくが、あまり飲もうとしない。

午後から、缶詰のフードの食べやすそうなものを選んで買ってきて口まで持っていくが、舌で押しやって出してしまう。やばいよ。

もう一匹の飼い犬のララが車庫のほうで鳴き声をあげたのを聞くと、もう立ち上がるのがやっとと言うのに、車庫のほうまで自分で歩いていった。

その夜、私が仕事から帰ると、娘が車庫でいる。訊くと、「キキがいない」といって、倉庫の中などを探し回っている。

いつもだと、たまたまロープが取れて逃げても、1時間もしないうちに帰ってくる。

だけど、夕べは胸騒ぎがして、娘、末っ子、私の3人で、自転車でいつもの散歩コースをキキを探して走った。・・・いない・

今朝も気になって早く目が覚めたが、やっぱり帰ってない。

動物は死期を悟ると、死に場所を探すと言うけど、キキもそうなのかなぁ。

あんなに弱っていたキキが自分からいなうなるなんて、そうとしか思えない。

折りしも、夕べは末っ子が部活で仲良くしているH君のお父さんが亡くなったと言う知らせが入った。明日はお葬式に親子で参列する。

反対に今日の午前中は神戸にいる息子が希望している職業の一次試験に合格したと言う知らせ。

人生と言うのは、いつも辛いことも嬉しいことも平行して起こる。

今まで生きてきて、そのことは充分わかっているけど、それでも辛いことはやっぱり辛いよね。

2005-07-24

暑さの中、草取り

今日は久しぶりに特に予定の無い一日だったので、のんびりと過ごす。

午後から外に出て、中庭の草抜きを始めた。中庭はシブガキの木やシュロの木、トベラの木などに囲まれていて、午前中は日が差すけど、午後からは木陰に入り、この時期でも涼しい。山野草やその他、暑さに弱いものは夏の間はこの木陰においてある。

鉢以外はシュウメイギク、ホトトギス、ミズヒキソウ、クリスマスローズ、タツナミソウ、シラユキゲシ、ラミウムなどが雑草のごとく生い茂っている。手入れの行き届いた庭が好きな人ならきっと我慢できないと思うけど、私はワイルドな庭も好きなので、あまり剪定せずに放任気味にしてある。それでも、最近、クワクサがあちこちから繁り始めたのと、ヤマイモ系のツルがはびこってき始めたので、これを何とかしないと。

スコップを持って根こそぎ引き抜く。

やり始めたらとまらない性格なので、今度は畑に出て、最初は建物や木の陰になる部分から草抜きを始める。去年は何度も台風が来たので、草が多くてほんとに大変だった。というよりも半ば諦めていた。今年は雨が降らない分、草は少ない。7月初めの雨で生えてきたものも毎朝30分ほどは草抜きしているので、草が日ごとにひどくなると言うほどではない。

とうとうカンカン照りの日向にまで出て草抜きを始めてしまった。汗がだらだらと流れる。これをやっていると高校時代のバレー部の練習や、夏山の苦しい登りを連想する。しかし、真夏にうんと汗を流すと言うのは、案外、嫌いではなかったりする。暑いからと言って、ずっと冷房の入った部屋で一日過ごすと言う、めりはりのない生活はなんかおかしいよね。

シャワーを浴びたらすっきりした~。

dsc00730 今日、水遣り時に確認したら、キッコウハグマがいい塩梅で育っている。猛暑にもかかわらず葉っぱがいい色をしているね。この秋に花が咲いたら、ちょっと出来すぎかなぁ?

dsc00731 こちらはみーこママさんにいただいた種からのロウバイ。確か5月の種まきなんだけど、もうこんなしっかりした本葉が出ているよ。

後方の朝顔は去年のこぼれ種のミニスカイブルーなんだけど、葉っぱばかりで花つきがちょっと悪くなっている。原因は何だろう?

dsc00240 暑苦しい花を貼って申し訳ないです。うちの畑に勝手に生えてきたムクゲとオシロイバナ。どちらも毎年のように出てきて、全部、削除するのはなかなか難しいです(^^;) (ムクゲは木ですが)

ハンター・シロちゃん

連日の猛暑で我が家では人間も犬も猫も少々ぐったりの毎日。

今日はそれに加えて、飼い犬のキキがロープを足に絡めてしまって、足を傷めている。

ぐったりと横たわって、立とうとしないので、心配した。えさも欲しがらないので、特別に缶詰のフードを買ってきて、手から食べさせたら、半分ほど食べた。やれやれ。

我が家の末っ子も2,3日前に冷房に当たって寝たために、寝冷えしたらしく体調がいまひとつだ。

うちのニャンコどもも母猫のモネとオス猫のクロは昼間はどこで涼んでいるのか、姿が見えず、朝夕のえさの時間だけ帰ってくる。まるで我が家は旅館か食堂かと言う按配(^^;)

そんな中、シロ(メス猫2歳)だけはいつも家にいる。あろうことか、昼間は一番風通しの良いリビングのテーブルの上で寝ている。たまに庭の灯篭で寝ていたりもする。

dsc00735 午後、庭に出たら、スズメがなにやらチュンチュンと騒がしく鳴いている。と、思ったら、シロがあっという間に車庫の屋根に上がった。そこから屋根伝いにスズメの近くまで行っている。

しかし、スズメには羽があるんだから、よもやと思っていたら、その20分後には捕まえてきたよ。

これで、この春以降、スズメを捕まえてきたのは3度目かなぁ。

ったく、昼間はごろごろしているのに、こういうときは素早いんだから・・。

dsc00736 いつもは私が近づくと獲物を取られると思って、逃げるけど、今日は暑いためか、庭で寝そべって、時々、思い出したようにスズメをいたぶる。隙を見て、急いでスズメを取り上げた。

末っ子が持っているのがハンター・シロちゃんの手にかかったスズメ君。今日はまだ元気そうだったので、車でお出かけの時に安全そうな場所においてきたが、さて、無事でいるかな?

今年はうちの庭でも長いのを見かけたが、それだけは絶対に捕まえてこないでね。

2005-07-23

関東の地震、関西の猛暑

書きたくはないけど、今日もものすごい暑さだった。

夕方になってようやくしのぎ易くなった頃、地震のニュースに気がついた。

慌てて、テレビの電源を入れて、情報収集をする。関東には義姉、義妹、友人など多数の親類や友人がいるので気がかりだ。慌てて、義妹に携帯メールを出したら、無事とのことでほっとする。続いて、関東在住の友人たちも無事なことがわかってやれやれ・・。

一安心したら、水遣りをしてないのに気付いた。

山から帰ってからというもの、水遣りが朝の時間帯になっている。仕事柄、夕方は忙しいし、夕食の用意もあって、朝のほうが丁寧な水遣りが出来るので、今年は朝にしようと思っている。ただ、畑のほうだけは朝でもすでにカンカン照りのこともあるので、夕方に水遣りすることが多い。

植えてから3年目のパイナップルリリーが、今年は雨が少ないせいか、葉っぱの展開するのが遅いなぁと思っていたら、7月に入ってからの雨で、ようやく蕾がついてきた。

dsc00251 畑の中でも粘土質の土の良くないところに植えてあるんだけど、案外丈夫な花で、何もしなくても咲いてくれる。咲くと存在感もあって、気に入っているんだよ。

他にこの猛暑の中で綺麗に咲いていると言ったら、サルビア・コッキネアのコーラルニンフかなぁ。

一昨年、初めて植えたんだけど、気に入って、去年はたくさん植えたら、今年はあちこちでこぼれ種がいっぱい出ている。その発芽率たるや雑草並みである。

しかも発芽するとまず枯れたりはしない。

dsc00207 夏はまともに種を播いて育てるものといったらほんの2,3種で、残りはこうしてこぼれ種を育てることが多いよ。

そういえば、去年は雨が多かったので、キュウリも珍しく育てたし、トレニアも綺麗に咲かせたんだったっけ。

dsc00168 こちらは去年秋に義妹のj庭から一本いただいてきたチコリだけど、どうやらこれも来年は雑草化しそうかなぁ。

2005-07-22

蝶豆、開花

先週末から、猛暑が続いていて、昨日は36℃近くまで上がったとか。

花たちも生きていれば、それだけで有り難いという気持ちだったが、今朝は嬉しい開花が2つ。

一つはネットの山仲間でもあり(まだ山にご一緒したことはないけど)、花仲間でもあるnoiさんから春に種をいただいた、蝶豆が開花していたこと。

dsc00218 発芽はいつだったかな?たぶん、5月半ばの種まきだったような気がする。一芽だけはすぐに発芽したんだけど、後のがなかなか芽が出なかった。その後ぼつぼつと発芽してきて、今育っているのは5~6株ほど。

咲いたのは、勿論、一番早く発芽した株だ。3週間ほど前に大きい鉢にバーベナ・ハスタータやルリマツリなどと一緒に寄せ植えしてある。まだまだ先の開花とばかり思っていて、蕾にも気付かなかったよ。

この鮮やかなブルーは真夏の一服の清涼剤だね。

去年は、実家近くの道の駅で、ポット苗を安く買い求めたのだったが、今年は種から咲かせることが出来て嬉しい。

noiさん、ありがとう。

そして、もう一つの嬉しい発見はシラユキゲシの戻り咲きだよ。

シラユキゲシと言えば、春の花で、我家でも今年はびっくりするほど繁っていて、葉っぱの一部は主人に切られたようだ。

とても丈夫なので、地植えにしていることもあり、水遣りも特にしていない(シブガキの木陰になる場所だし)

dsc00196 蕾がついていることすら、気付いてなかったので、今朝の水遣りで花を見つけて驚いた。

蕾もまだいくつかついているようだけど、この分なら少しは咲いてくれるかなぁ?

暑いのは暑いんだけど、9時ごろになると海からの風が吹き込んでくるので少し救われる。

朝と夕方は「瀬戸の朝凪、夕凪」と言って、風がぱたっと止まり、地獄のような蒸し暑さになる。

人間にとっても過酷な季節だけど、もの言うことも出来ず、動くことも出来ない植物には、もっと過酷な季節だろう。

後一月余りの猛暑の季節を何とか乗り切って欲しい。

dsc00210 雨の心配もなさそうなので一年ぶりに芝生庭にパラソルを立ててみた。

これで昼間に庭でコーヒーが飲めるかなぁ。

これを書いている最中に、庭からアオスジアゲハが飛び込んできた。

夏は掃き出し窓を開けているし、サッシ窓ではなく古い作りの窓なので、網戸が入ってないため、夏場はいろいろなものが<飛び込んでくる。(こうもりとかスズメ、オニヤンマとか)

アオスジアゲハは素早く飛ぶので、子どもの頃、蝶の採取をしていた頃も一度ぐらいしか捕まえたことがない。

飛びつかれたのか、今はこんな風に休息中だよ。

dsc00223

dsc00230

2005-07-20

アキノタムラソウ

山から帰ってきた翌日が四国地方は梅雨明けだった。

家を出る前はそれほどでもなかったクマゼミの鳴き声のまぁすごいことったら。

今年はセミの当たり年なのか、庭に出ると、数十匹のセミが飛び立つので、ぶつからないように頭を抱えて歩く。この季節は、庭に出るのにちょっと身構えてしまうね。

dsc00169 庭にはいろいろな木があるけど、特にこのマサキが好きらしい。この一本のマサキに20匹ぐらいのクマゼミがとまっているのはちょっと壮観な眺めを通り越して気持ちが悪い。

dsc00136 帰宅したらいろいろな花がダメージを受けていて、特にリシリヒナゲシなど8株もあったのに、今何とか元気そうなのは2株だけ。この2株もいずれはダメになるのだろう。

桃葉キキョウの白花が反対に綺麗に咲いていた。青花が咲いているときは、綺麗に咲いてなかったのに・・。

dsc00157 このフロックス・パニキュラータも綺麗に咲いている。背の高いほうの花茎は確か、一度咲いたはずなのに、また蕾がついて戻り咲きしているようだ。右上に言えるパンパスグラスも植え付けたばかりの去年は穂をあげなかったが、今年はどうやら穂が上がりそうな気配。

dsc00162 ピンクのフロックスの手前にぼけて写っているのはアキノタムラソウ。10日ほど前のエントリーでヤマハッカと書いてしまったのは間違いで、ヨックモックさんのご指摘のようにこの紫色のシソ科の花はアキノタムラソウだ。

出かける前は蕾だったのが、涼やかな色で咲いてくれた。

しかし、毎朝、30分は草抜きしているのだけど、畑はもう草がぼうぼうで、例年の如くジャングル庭と化してしまった(^^;)

2005-07-18

仙丈への旅、その6、下山

翌15日は3時半起床。というのも小屋の朝食は5時に出るので、食事前にもう一度ピークまでピストンと言う予定だったのだ。外に出ると、鋸岳は何とか見えているが、そうこうするうちにガスがまた出てきた。馬の背ヒュッテから上がってきた中学生たち20名ほどが引率の先生に連れられてピークを目指して上がっていく。そのピークもガスに覆われて今では何も見えない。管理人さんに「小仙丈に行ってくるといいよ」と言われ、それではということで小仙丈を目指す。辺りはうっすらと明るいが念のために懐中電灯を持つ。薄暗いのではっきりとは見えないが、道の傍らにはやはりキバナシャクナゲが咲いている様子だ。10分ほどで仙丈と北沢峠との分岐に出る。ここで大失敗してしまった。小仙丈はこの分岐と仙丈本峰との間にあるのだとばかり思って、ピークのほうに向かってしまった。Oさんが朝一で調子が出ないので、ここで引き返すと言うので、私とSさんとで進む。辺りはもうガスの中で何も見えない。10分ほどでなにやら小高いピークらしきものが見えたので、下に巻き道も見えたが、登ってみる。道標も何も立っておらず、小さな石の柱が立っているだけ。おかしいねとSさんと話すが、地図を持ってきていないので、確かめるすべがない。中学生の話し声が聞こえる。どうやらさきほど小屋を出発した中学生が仙丈のピークで休憩しているらしい。しかし、ガスのため視界がきかないので声だけだ。

このガスではどうしようもないので、すぐに引き返すことにする。帰りにはうっすらと明るくなり始めたのでミヤマダイコンソウが咲いているのがわかった。昨日は葉っぱは見かけたけど、花はまだ蕾だったが、こちらの稜線のほうが花が早いらしい。

dsc00983 ハクサンイチゲもこんな風に道のわきに咲いている。

下っている最中に小屋の食事時間を知らせる鐘の音が聞こえた。

結局、小屋に着いてから地図で確認したら、小仙丈は北沢峠方面に下る途中にあるのだった。やはりちょっとと思っても地図は持つべきだと痛感した。

無駄足にはなったけど、これこそほんとの朝飯前の一運動になって、朝食が美味しい。食後、北沢峠からのバスの時間を調べる。一番早い便が10時発、次だと13時。これでは少し遅いので、10時のに乗ることにする。やはり食後はコーヒーが飲みたいので、コーヒーを飲んでから出発は6時半。

出かける前になんとなくガスが晴れてきそうだったし、実際、八ヶ岳や蓼科山がよく見えたので、Sさんが「ピーク経由で下山したい」と言う。いいよと言うことで、ゆっくりと再びピークに向かう。今度はザックを背負っていることだし、Oさんもイマイチ体調が良くないようなので、私がトップを歩き、ゆっくりのペースで登る。Sさんは体力があるので飛ばしたいようだが無理は禁物。

登りは少し苦しくてもたったの30分だし、昨日一度登っているので、様子がわかるのが幸いだ。西方面の中央アルプスや伊那辺りは晴れていてよく見えるのに、東と北はガスの中で何も見えない。ピークでもとまらず、そのまま小仙丈へと向かう。早朝に行った場所はやはり小仙丈へと続く稜線上の一つのこぶだったようだ。

前を歩いていた数人の中学生と引率の先生がなにやらカメラで撮影している。

訊いてみると「雷鳥がいます」とのこと。ガスと薄暗いのとではっきりわからないが、なるほど、ライチョウの親子がお尻をこちらに向けてじっとうずくまっている。っそういえば、小屋の人が昨日「運がよければ雷鳥が見られるよ」と言ってたなぁ。

dsc00986 望遠だし、ガスの中での撮影ではっきりとはわからないだろうが、画像中央に雷鳥がうずくまっているのがわかるでしょうか?

大学の頃、夏合宿で北アルプスに入ると登山道のすぐ横で雷鳥が歩いていたものだった。人が通ってもちっとも逃げず、鈍感そうな鳥だなぁと思ったけど、その後この雷鳥は減り続けているらしい。その頃だって、人が山に入り人の残した残飯を食べることで雷鳥に悪影響が出ているという話を聞いた。Oさんの話では最近では高山にも猿が上がってくるようになって、その猿が雷鳥を食べるのだと言う。

嬉しいことに北に向かうにつれてガスが晴れてきて、小仙丈方面が見えてき始めた。

後ろを振り返ると仙丈のピークは相変わらずガスに包まれているが、私たちの少し後ろを下ってくる中学生たちがはっきりと見える。

しかしバスの時間もあるし、充電が出来ないので、今朝から携帯もデジカメもバッテリー切れ状態だから、そうそう画像が撮れない。

小仙丈へはちょっとした岩場があるが、そう危ないと言う訳でもない。

小屋を出てから1時間10分後、小仙丈に到着。ここで小休憩。先ほどから鳳凰三山がよく見えていて、地蔵岳のオベリスクもよく見える。しかし、北岳はどちらなのだろう?

と思っていると、稜線の東側に大きな山が現れた。高さと言い、大きさと言い、これが北岳に違いない。念のため地図で確認。うん、間違いない。その後ろには富士山も時折見え隠れしている。

dsc0098777 これで、見たかったものはすべて見ることが出来たね。

心おきなく下ることが出来る。

8時10分、小仙丈を出発。バスの時間が心配なので、ここからはペースを速くしたいところだ。ところが、道はお世辞にも歩きやすいとは言えず、急勾配で慎重に下らないと滑ったり転んだりしそうだ。眼下はるかに今から下る北沢峠の幕営場が見える。丁度1000mの下りだけど、こんなにはっきりと下っていく先が見えるというのも珍しいよ(^^;)

道はやがて樹林帯に入ったが、しばらくは歩きにくい道だった。Sさんの話ではこのコースはきついのと暑いのとで、ちょっと登る気がしないコースなのだそうだが、なるほど花も少ないし、あまり快適な登り道とは言えない。それでも時折、単独の女性や年配の夫婦連れの人が登ってくる。

途中ツマトリソウを見かける。もう撮影はあまりしないつもりだったが、余りの可愛さにこの花だけは撮影する。

dsc00989 初めて見る花だと思ったが、後でよく考えたら、去年、剣山でも見ていたのだった。画像では出てないけど、花びらの縁がかすかにピンクがかっているのが、なんとも言えず可愛い。

ゴゼンタチバナも咲いている。ゴゼンタチバナのほうは標高3000近い稜線でもハイマツの下などで見かけた。適応力があるらしい。

大滝の頭にはコースタイム通り、40分で到着。引き続き下る。コースタイムでは北沢峠まで1時間だが、ぎりぎり、バスに間に合うか?

ここからは道もそれほど急ではなく、どんどん飛ばす。

辺りにシダが見え始めたので、そろそろ北沢峠かなと推測する。前日に北沢峠付近を散策したとき登り道付近にシダがいっぱい生えていたのを思い出したからね。

思ったより早く、9時40分に北沢峠のトイレの建物の屋根が見えた。やれやれ、飛ばしたおかげでバスの時刻の20分前に到着することが出来た。

dsc00990 画像は北沢峠の長衛荘の建物。

こんな早い時間に山を下る人はほとんどいなくて、帰りもバスにゆったりと座ることが出来た。

2005-07-17

仙丈への旅、その5、山頂はお花畑

お弁当を食べた後、一服したら、山頂までピストンだ。12時半頃出発。

持ち物はウエストポーチとカメラだけ。標高にしてわずか100mほどの登り。

一時間もあれば、帰ってこれる。生憎と辺りはガスに巻かれたままで、展望は望めそうもないが、この近さだから、晴れたらまた直ぐに登れる。

小屋の上手から登り始めて、10分もすると松峰からのルートとの分岐点だ。ここでルートはゆるくカーブしていて、稜線の左下には雪渓が見える。

花はキバナシャクナゲ、チングルマ、イワカガミなどが咲いているが、今まで見なかったオヤマノエンドウやミネズオウなどが見られた。

dsc00908 この紫色の花がオヤマノエンドウ。他にはナナカマドもハイマツに隠れそうなほど低いがちゃんと花を咲かせていて、驚くばかりの生命力。

そして標高3000mの岩に張り付いて育つ花々にとっては、地面から吸い上げる水分よりも、こういうガスに含まれる水分が生きていく上で欠かせないのだろう。そう思えば、展望をさえぎるこのガスもそれほど憎めない。

dsc00921 ハクサンイチゲは藪沢新道の標高2500付近から見かけたが、山頂付近ではお花畑になって咲いている。花たちはさすがに草丈はどれも10センチほどで、風を避けるように背を低くして、それでも精一杯咲いている。イワベンケイ、イワウメなども見え始めた。

DSC00917 画像の白い小花がイワウメ。最初は名前がわからず、何だろう?と言っていたが、先輩のOさんが後で「イワウメかなぁ」と思い出してくださった。私は勿論、初めて見る花だ。小さいながらも草ではなく潅木。そういえばチングルマも小さいけど、草ではなくばら科の潅木なんだよね。

dsc00931 これは山頂直下のガレ場に咲いているキバナシャクナゲ。後方でうっすら見えているのがピークに立っている道標だよ。視界は20mもないだろう。ほんとなら360度の大展望が思いのままなんだけど、まぁ、雨に降られなかっただけでも良しとせねば・・。お花畑も見られたしね。

下りはものの15分ほどで下ってしまった。小屋には二時前に到着。花を思う存分楽しめた。

この頃から、小屋に着く登山者が多くなってきた。管理人さんの話ではこの日宿泊するのは十数名だとか。小屋に入ったばかりの女性グループの一人が高山病で頭痛だと話している。そういえば、Sさんは前回、頭痛に悩まされたと言うけど、今回は大丈夫だったようだ。やはり、前夜に北沢峠で一泊したのが正解だったらしい。食堂の椅子に座って、小屋にあった花の本を見ると、ピークで咲いていたタカネツメクサだのイワベンケイだのという花の名前が確認できた。

夕方近くなって小屋の窓から眺める空が青くなってきた。外に出たら、さっきまではガスで何も見えなかったけど、鋸岳が姿を見せている。甲斐駒の前にかかったガスも徐々に取れてきている。小屋にいた人たちは皆外に出てきて、甲斐駒が全貌を現すのを今か今かと待っている。後ろを振り返れば、これもさきほどまでガスに覆われていた仙丈のピークが綺麗に見えている。

dsc00951 小屋と仙丈のピークを入れて撮影してみた。雪渓もはっきりと見えている。

dsc00964 こちらは少し時間を置いて撮影した甲斐駒の画像。5時過ぎに撮影したもの。

小屋の食事が終わって、今度はもう一度、夕焼けと星を見るために、外に出た。

dsc00976 こちらは小屋から北西の方角を撮影したもの。13日朝は北アルプスが綺麗に見えていたそうだ。

それでも、明け方の土砂降りのことを考えると、こんな眺めを見ることが出来ただけでも喜ばなくてはね。小屋は7時半消灯なので、星は8時ぐらいまでしか見られなかったが、山で星を見たのはいつ以来だろう?

夜中に二度ばかり暑くて目覚めたが、二度目に起き上がって窓から仙丈ピークのほうを眺めたら、ピークの上には大きな星が輝いていた。そして、月明かりのせいか、仙丈のピークもはっきりと見えていた。

仙丈への旅、その4、花の藪沢新道を登る

フェリーで3時間しか寝てなかったので、小屋での寝つきは良かった。おまけに寝酒まで入ってるしね。

しかし、夜中に雨の音で目が覚める。雨は土砂降りになったかと思えば、弱まって、また土砂降りに。3時頃、とうとう本格的に目覚めてしまい、眠れなくなった。この雨では4時半起床、5時出発という予定は難しい。5時ごろ、起きあがったら、Sさんも目を覚ました。「どうする?」と言い合ったものの、この雨では様子を見るほかない。そうこうするうちに小屋の方が現れて「今日は午後からは天気が少し回復するらしい」とのこと。雨はまだ小降りのまま。コーヒーを入れるために、プリムスを四国から持参してきたので、水場で水を汲んで、コーヒー用のお湯を沸かす。Oさんは、なんとドリップコーヒーを持ってきてくれていて、贅沢にも山でレギュラーコーヒーである。昔からは想像も出来ないね。2杯目は流石にインスタントコーヒーだ。朝食はお弁当にしてもらうように、小屋に頼んだので、朝ご飯代わりにクッキーを1,2枚食べる。

雨はもう土砂降りにはならないようなので、支度をして6時半に出発。雨具のズボンだけはけば、上は傘でもなんとかなるだろうと判断。折りたたみ傘を差して歩き始めたが、樹林の中を歩くので、傘をさすほどでもなく、傘もすぐに畳んだ。最初はなだらかな道がやがて急登になってくる。だがSさんに寄れば、急な登りはこの辺りだけらしい。丁度1時間歩いた7時半に1本(休憩のこと)入れる。小屋で作ってもらった昼食用のおにぎりをここで食べる。歩いたらお腹も空いて、二個のおにぎりはあっという間にお腹に入った。

丁度休憩した場所では、マイヅルソウが咲いていた。

dsc00845 7時50分出発。地図ではこの後、道は沢に近付いて、沢沿いに登るようだ。樹林の中で時折、キバナノコマノツメを見かけ始めた。黄色いスミレだ。

やがて、樹林を出て沢沿いの道になった。この頃には雨もすかりあがって、沢沿いの開けた道を登るのは気持ちがいい。

お花はますます多くなって、タカネグンナイフウロやカラマツソウが咲いている。

dsc00855 他にもシラネアオイ、シナノキンバイ、ウサギギクなどを見かける。しかし、小屋の人が言っていたように鹿に食べられた後もたくさんあって、特にシシウドの仲間はたくさん食べられているようだ。

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キバナノコマノツメはずっと道沿いに咲いているが、樹林帯の中に咲いているのと違って、日当たりがいいためか1株で10個以上もの花を咲かせている株もある。

途中、地元の中学生が集団登山しているのに出会った。お天気が悪いので、夕べ、馬の背ヒュッテに泊まったのだけど、そのまま下山しているのだそう。訊けば、高遠から来ている中二なのだそう。うちの末っ子と同じ学年だ。道理で男の子たちの挨拶の声が変声期独特の大人とも子供ともつかない声だね。

もうすぐ沢を詰め終わるというところで二本目の休憩。8時50分。丁度また1時間歩いた訳だね。

汗をかいたので、沢の水で顔を洗うと気持ちがいい。

dsc00865 標高約2500のこの辺りで見かけたのはアオノツガザクラ。

dsc00867 これは岩場で咲いていたハクサンイチゲだけど、草丈は30センチ以上もあり花もいっぱいつけてゴージャスな花だった。この後、山頂付近でもたくさんのハクサンイチゲを見たけど、この株がいちばん大きかったようだ。

20分の休憩後、9時10分出発。沢を詰めて、少し登ると、そこは馬の背ヒュッテ。ヒュッテを9時半通過。ここからはほんの一登りで稜線に出る。

DSC00879 もうすぐ森林限界を超えるはずだが、最後のダケカンバが綺麗な新緑を見せている。空もこの頃には晴れ間も出て、ダケカンバの葉と青空との金とrストがなんともいえないほど綺麗だ。

dsc00889 20分も登ると稜線に出た。流石に風が強いが、歩いているので、寒くはない。森林限界を超えたので、生えているのはハイマツ、ナナカマドの背の低いの、ハクサンシャクナゲ。そしてその株もとにはチングルマとイワカガミが・・。

コケモモも咲いている。

こんな風にダイナミックに植生が変化するのを見るのは久しぶりなので、興味深い。考えてみれば、学生時代は重いキスリングを背負って登るだけで精一杯、花を愛でることもできなかったのだから。

dsc00895 ハクサンシャクナゲの花には少し早いようだけど、時折、綺麗に咲いた株も見える。先ほどまでの青空はどこへやら、辺りはガスに覆われ始めた。

画像はガスの中、先頭を歩く後輩のSさん。足元に見えるのがハイマツ。

dsc00897 ハイマツやシャクナゲの株もとにはこんな風に可憐なイワカガミが咲いている。イワカガミはハクサンイチゲやシラネアオイ、ハクサンオザクラとともに学生時代から名前を知っていた数少ない花の一つだね。去年の秋田駒でも咲いていたっけ。

dsc00903 やがて、周囲のガレ場に白い花が見え始めた。あれは何だろうと話し合って、どうもキバナシャクナゲらしいということになった。学生時代の山登りでもシャクナゲといえばなぜかキバナシャクナゲをよく見たものだ。高山の尾根には必ず咲いていた。シャクナゲといってもツツジの仲間で、そういえば、花の感じや株の感じが去年秋田駒で見かけたエゾツツジに似ているね。 上の画像で右斜面に咲いているのが、キバナシャクナゲだよ。

ガスに巻かれてしまって、視界が悪いので気付かなかったが、この頃にはほぼ仙丈小屋直下でいたことになる。黒百合の蕾もこの下で見かけた。水場のパイプが見えたと思ったら、直ぐに小屋に出た。小屋到着は10時半。途中、ゆっくり休憩して、時折、花の写真を撮りながらでも4時間で登れるのは楽勝だろう。

小屋の管理人さんはあまりに早い到着に驚いていたようだった。記帳を済ませて、外のベンチでお弁当を食べる。

この小屋は7年前に建ったそうで、Sさんの話では以前は幕営場だった場所らしいが、今は幕営禁止になっている。風力発電、ソーラーパネルでの発電もしていて、トイレは天水利用の水洗になっていて、とても標高3000m近くのの小屋とは思えない。電話は衛星利用だそうで、小屋の食堂にはTVもある。

仙丈への旅、その3、北沢峠

北沢峠に向かう村営バスには私たち3人のほかに、4,5人の人たちが乗り込んだ。ほとんど女性ばかり。こんな平日に来れるのは、主婦ぐらいなものだろう(^^;)

書き忘れたが、マイカーは仙流荘すぐそばに広い駐車場があるので、ここにとめておけるよ。

戸台大橋は一般車が通行できないようにゲートがあって、バスが着くとそのゲートが持ち上がる。ここから先はいよいよ南アルプス林道だ。後輩のSさんは学生時代に単独で仙丈に登ったことがあって、その頃はこの林道がまだ開通してなくて、戸台川に沿った道を下山した帰りにとぼとぼと歩いたそうだ。バスでも約1時間はかかるという道のりだよ。私とOさんは北沢峠には今回が初めてだ。

バスはぐんぐんと登って、しばらくすると戸台川がはるか眼下に見える。運転手さんはバスガイドさん並に景色の説明だの花の名前だのをアナウンスしてくださる。花は道路法面にショウマやヤマホタルブクロ、クガイソウなどが咲いている。センジュガンピが咲いていると言うアナウンスで急いで窓から見たら、綺麗な白い花が咲いている。マイカーではないので、車をとめて撮影と言うわけにはいかないのが辛い。

反対側の窓からは鋸岳がド迫力で見える。この山は名前だけは知っているが、ロッククライミングをする人が登るみたいで、私たち一般の登山者には馴染みが薄い。

dsc00814 やがて、懐かしい甲斐駒も姿を現した。甲斐駒には大学二年の時に黒戸尾根経由で登っているが、梅雨時で雨にぬれながら登り、写真も一枚もないので、今回はその姿をしっかりと脳裏に刻みたいもの。

dsc00817 画像中央にちょっと白っぽく移っているのが甲斐駒の姿。この山は山頂付近が花崗岩で出来ているのとピラミダルな山容ですぐに見分けがつく。

久しぶりの3000m級の山々に、ちょっと興奮してしまうね。

山に見とれているうちに「大平山荘前」というアナウンス。慌てて、荷物を持つ。なんとなく終点の北沢峠まで行って、そこから今日の宿舎である大平山荘まで歩いてくればよいと思っていたけど、山荘前がバス停になっていたのだ。

大平山荘前には山からの水を引いた水場があって、絶え間なく清冽な水が流れ落ちている。

まずはこの水で手を洗う。

小屋には女主人がいらしたので、「お世話になります」と挨拶。旅館並にお茶とお茶菓子が出された。お茶をいただいたら、早速、散策。先ずは北沢峠まで行こうということで小屋の横を通っている樹林帯の中の道を登る。小屋の付近には花が少ないということだったけど、登り始めるとすぐにゴゼンタチバナが咲いていた。四国では見かけない花なので嬉しくなる。

dsc00826 樹林の下であちこちに咲いている。ギンリョウソウもちらほらと見えて、Sさんはこのギンリョウソウのほうを熱心に写真に撮っている。

私はといえば、ギンリョウソウは四国でもよく見かけるので、珍しくはない。

ゆっくりと歩いても10分ほどで北沢峠に着いた。

dsc00827 峠付近の森はこんな風に針葉樹で覆われている。たまにナナカマドやダケカンバも見かける。

北沢峠は標高2000mほどで信州から甲州に抜ける峠である。

仙丈や甲斐駒の登り口として、岳人ならその名を知らない人はいないだろう。

林道の傍らは湿地になっており、おなじみのバイケイソウが花を咲かせている。よく見るとキバナのヤマオダマキも咲いていた。そして、野生種の花とは思えないほど大型で派手な色のクリンソウが咲いている。これは自生なのだろうか?それとも植えられたものかなぁ?

dsc00832 他にもトンボソウらしき野生ランや白っぽい花の野生ランもちらほらと咲いていた。

ぶらぶらと歩いて、長衛小屋のほうまで行き、幕営地も見てきた。沢のすぐ横にある幕営地にはテンとは一張りもない。Sさんによると夏の最盛期にはここはテントで埋まるそうだ。野呂川のせせらぎを聞きながら眠りにつくのもいいだろうなぁ。

小屋の食事が5時からなので、4時過ぎには引き返す。小屋に着くと、すでに夕食の用意が出来ていて、デザートまでついていた。ご飯は懐かしいお櫃に入っていてお代わり自由。

私とOさんは「仙醸」の瓶を開けて、コップに一杯ずついただいた。名目は寝つきを良くすること(^^;)

仙丈への旅、その2、長谷村に向かう

農園を後にするとき、農園入り口で可愛い白花のゲンノショウコを見つけた。ゲンノショウコは秋の花だと思っていたが、初夏の花、ホタルブクロと一緒な時期に咲いてるんだね。

ご主人に教えられたとおり、来た道をそのまま北上する。

道はこんな感じかなぁ。dsc00772

まるで別荘地と言う雰囲気だね。

ちょっと走るといろいろな花が咲き乱れているので、時間を気にしつつも花の撮影をせずにはおれない。

dsc00774 走っていたら、アサギマダラ発見。去年、剣山で見かけて以来、一年ぶりの再会だ。

カメラを10センチまで近づけても、逃げようともしないで、必死で蜜を吸っている。撮影している間に数羽飛んできて、ツーショットの画像も撮れた。このヒヨドリバナの蜜はよほど美味しいのかいつもヒヨドリバナにとまっているのを見かけるよ。

ほかにもクガイソウ、シモツケ、ショウマ、バイカウツギなどを見かけた。

dsc00796 これも道端で見かけたキバナノヤマオダマキかなぁ。オダマキは自宅でいっぱい育てているけど、自生のは初めて見たので、ちょっと感激。

dsc00786 これも道端で見かけたヤナギラン。ヤナギランは四国では見かけない花なので嬉しくなる。はるばると来た甲斐があった。

道は未舗装の部分を15分ほど走るが、それでも四国の山道はもっとすごい道もいっぱいあるので気にはならない。気になると言えば、せっかく、洗車したばかりなのに、泥はねしてしまうことぐらい。(^^;)

30分ほど山道を下った12時10分、もとのR152に出た。ここからはまっすぐに北上するだけ。私はたまたま大鹿村から長谷村に抜けるためにこの国道を走ったのだけど、このR152はもともとは秋葉街道とも呼ばれて、静岡の塩を信州に運ぶための道だったらしい。また中央構造線沿いに走っているので、途中、北川露頭といって構造線が露出している場所の標識も見かけた。時間があれば、ぜひ、見学していきたいところだけど、これもパス。道端でなにやら青い花を見かけたので、車をとめてよく見たらクサフジだった。しかし、四国で春にいっぱい咲く外来種のナヨクサフジと違って、これはどうやら日本に自生しているクサフジのようだ。

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途中で対向した車はほんの2,3台という交通量の少なさは四国の山道と匹敵するかもしれない。

12時25分、分杭峠に到着。ここが大鹿村と長谷村との境界だ。

dsc00812 分杭峠という名前もなにやら由緒のありそうな名前だね。

ここでSさんの携帯に電話してみたが、電波が届かない。勿論メールも送れない。後でわかったんだけど、この辺り一体は電波の届かない地域らしい。

仕方ない、行ってみて二人を探すほかないようだ。

美和湖手前で右折して戸台とかかれた方向に走る。途中で、マイクロバスを一台追い越して、間もなく仙流荘に着いた。

行く手に女性が二人見えると思ったら、それが先輩のOさんと後輩のSさんだった。登山者がもっとたくさんいるかと思ったら、辺りは閑散としている。どうやら。私が追い越したバスが12時45分発の北沢峠行きの村営バスだったらしい。3人で相談して、今日は北沢峠に入るだけなので、最終の14時10分のバスに乗ることに。私はお昼をまだ食べてないので、仙流荘で食事をすることにする。

シーズン前だからか、人影も無く閑散としているようだ。食後に山登り用の服装に着替え、売店で日本酒「仙醸」の4合瓶、ブルーベリー(行動食用)、苺のアイスクリーム(バスの中で食べるための)を買い込んで最終のバスに乗り込んだ。

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