以前から6月初めの西赤石山には是非登ってみたいと思っていた。
02年6月下旬には銅山越えまで、03年6月下旬には西赤石ピークまでほんの40分というところまで行った。どちらも当時小学生だった末っ子と一緒で、「もうこれ以上は歩かない」と言われ、ピークを踏むのを断念したのだった。その後、さすがに末っ子はついてこなくなった。代って、高校時代の友人に「ツガザクラの花を見に連れて行って欲しい」と言われたのがもう2年程前の話だ。去年もほぼ日程まで組んであったのに、急なアクシデントがあって直前で取りやめた。
そんな訳で、西赤石山ピークを踏むことと、ツガザクラの花を見ることは私にとってはかねてからの願いだった。今年登るとすれば6月上旬だ。私のスケジュールと友人のスケジュール調整をして、天気予報と睨み合わせたら、6月5日決行ということになった。急遽、話を持ちかけた野草仲間のRさん、それに3年程前に剣山などに一緒に登っていたKさんも参加することになった。結局、女4人で登ることに決定したのが前日4日の午前中だった。
筒上山のピークは風を遮るものがなく吹きっさらしなので、少し濡れた体には寒い。
祠の周囲の低い石垣の陰でで風を避けて休憩を入れる。さっきからちょとちょことおむすびを齧ったりチョコレートを齧ったりしている。ハードな歩きだから、時々エネルギー補給しないと歩けない。それに一度にたくさん食べると後が苦しいので、少ずつ食べるほうが正解のようだ。S君が、下りはどちらのルートを取ろうか?と言う。筒上から丸滝小屋までの下りには稜腺をそのまま下るコースと、一旦、南に戻ってピーク東側を巻いている巻き道経由の2つのコースがあるのだ。巻き道のほうは樹林帯の道らしい。時期にはキレンゲショウマが咲くようだ。Tさんも私もS君に任せるということに。
結局、稜腺伝いに下山することになった。
そして、そのコースは大正解だったのだ。
一旦、車を停めた場所に戻ると午後二時を回っていた。
もう二箇所帰りに立ち寄りたい場所があるので、丁度いい時間だ。
気温もぐんぐん上がって、久しぶりに喉が渇く山行となった。
山の中の車道を下っていると、視界に派手な黄色い花が飛び込んできた。
今まで実物を見たことはないが、ジャケツイバラに違いない。
ここ数日バタバタしていて、この新緑散策シリーズのトップでアップした花画像がいまひとつだった。実は、忙しさのために画像をよく確認しないまま更新してしまったためだ。
よく見るともう少し自分では気に入っているつもりの画像があったので、追加でアップしてみる。
尾根には前回咲いていたチゴユリが、この日も大群生だ。
この山の五合目以上はずっと咲いていると言ってもいいほど。
標高の低い場所の株はさすがに咲き終わっているが、山頂付近のものはちょうど見ごろ。
撮影しているとなにやら若者の声がにぎやかに聞こえる。最近は山で見かけるのはほとんど自分も含めて中高年ばかりで若い人は珍しい。珍しいなぁと思ったら・・・。
前を歩いていたRさんが「あれは蘭よね?」と訊いた。
近付いて見てみる。確かに蘭の蕾が穂状になってついている。私は蘭の仲間は苦手で、今までに見たことがあるものしかわからない。今までに見たものはカキラン、サイハイラン、ソクシンラン、イチヨウランオノエラン、キンラン、ギンランぐらいだ。トンボソウの仲間も何種類か見たことはあるがキソチドリぐらいしかわからない。
しかしこれは葉を見て直ぐにわかった。
何故か今までチゴユリを見たことがなかった。
あちこちの画像掲示板で見せていただく可憐な画像と同じ花を見つけて、思わず歓声を上げてしまった。そしてその後はほぼ山頂までずっと、チゴユリが登山道の傍らで咲いていた。Rさんと「すごいね」「信じられない」そんな言葉しか出てこない。
秋にセンブリとアサマリンドウが咲いていた小道はチゴユリの小道と変わっていた。
まさかこの山でシコクカッコソウに会えようとは、夢にも思わなかった。
私が知っている限りでは(ネットで公開されている情報では)愛媛の山で咲くとしか知らない。もう一度愛媛まで見に行くのはちょっと大変なので、今年は蕾を見ただけで我慢しようと思っていたが、今年は山芍薬群生発見に続き、すごいものばかりを見つけているようだ。、宝くじでも買ったほうが良いかな?
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