8日の夜は例によって、少し寝つきが悪かったのですが、目は5時に覚めました。
初めての山に登る前夜は、緊張のためにうまく寝つけないことが多いのです。私が起きたら、先輩方も次々と目を覚まされました。
山登りの身支度をして、5時50分ごろには出発しました。
宿の朝食は7時からと言うことで、この日は朝食は不要と言うことを前もって宿に言ってありました。料金はその代わり1000円引きと言うことで、なかなか良心的な宿でした。花巻温泉、なかなかお勧めでしたよ。
朝食を食べるのと、お昼ご飯やお茶を買うために、途中でコンビニに立ち寄ります。コンビニでは最近は淹れたてコーヒーが飲めるのでありがたいですね。この日の運転は私がしましたが、ナビは先輩のOさんが引き受けてくださいました。途中、ちょっと道を間違えたりしながらも、8時には河原の坊登山口に着きました。
先輩のAさんは昭文社の地図で見て、小田越登山口からのほうがコースタイムが短いというので、小田越から登りたいと言っていましたが、小田越には駐車場がないと書かれてあったので、結局、河原の坊から登ることになりました。河原の坊からのコースは私がもともと歩きたいと思っていたコースです。内心「やった~」と思いました。
下の駐車場にはこれだけの空きがまだありますね。
駐車場で私たちのすぐ後に車を入れた兵庫の方とは歩き始めもほぼ同じ時間だったので、なんとなく一緒に歩くことになりました。
登山口付近ではその他にも若い方とお会いしたり、伯州山は地図に載ってない山だそうですが、それでも花の山としてこの時期は人気の山のようですね。
鞍部になっている天狗平が秣岳方面への分岐となっていて、宿の方に展望が良いのでぜひ行ってみるようにと勧められたのでした。
ほとんど勾配のない道を歩いていきますが、通る人が少ないのか道が今までより少し荒れています。
昭和湖付近には作業の方が休憩されていて、「例年だと、ここから眺める栗駒山は真っ赤なんですけどね」と話して下さいました。
やはり、9月が暑かったからか、紅葉が遅れているようです。
でも、紅葉が始まっていれば、とても栗駒山荘の予約が取れなかったでしょうから、ちょっと早いぐらいで良かったのかもしれません。
やがて、標高2300m地点も過ぎて、樹林帯の中の下りとなりました。
この辺りの植生は鏡平付近と似ています。キヌガサソウが樹林の下に出てきました。このキヌガサソウって、木の株元の木陰になるような場所に咲いてることが多いですね。直射日光が嫌いなんでしょうね。
静岡の人にさよならを言って、一人で下り始めますが、はるか下のほうを2人組の方が下っているだけで、後は誰も見えません。風が結構きつくて雨具のフードが直ぐに飛ばされそうになるので、ゴムをしっかり引っ張って歩きます。
槍ヶ岳に登って山荘に帰ってきたら、雨のため、折角着替えた衣類がまた濡れてました。そこで再び着替えて、濡れた雨具やウエアなどを乾燥室に干します。
出かける前には同室の女性たちは談話室にでも行ったか見かけなかったのが、今度は2人ともいました。双六小屋の同室の方は私より年長の貫禄ある方が多かったのが、ここ槍ヶ岳山荘では私より若い人ばかりで、これまた楽しかったのです。
もともと私にとっては槍ヶ岳は特に憧れの山と言う訳ではありませんでした。というのも、大学で山登りの同好会に入ったのですが、私には年子の弟がいて、その弟が京都の大学に進んで一年目の夏休みに「槍ヶ岳に登ってきた」と言うのです。弟は私と違い、小さい頃から家の中での遊びが好きで、私のように野山を駆け回るのとはタイプが違ってました。運動部に所属したこともないし、体力があるようにも思えません。その弟が登山靴でもなんでもない普通のスニーカーで登ってきたというので、槍ヶ岳というのはずいぶん簡単に登れる山のようだというイメージが私の頭にできてしまったのです。加えて、位置的にも北アルプスの南部にあるので、四国からは出向きやすいので、いつでも行けそうです。そんなわけで、学生時代の夏合宿では、なるべく北のほうに位置する大日~剱岳~立山~薬師とか、針ノ木~後立て~白馬~日本海などと言うコースを選んで歩きました。
山歩きを再開してからも、観光客の多そうな上高地にあまり行きたくなかったのもあって、槍に登ろうという気がなかなか起きなかったのですが、今回は後輩がやはり新穂高からの登りがアプローチしやすいというので、それならば西鎌~槍もいいかと思えたのです。
そんなことで、今回の槍ヶ岳登頂は遣り残した宿題を片付けるという気持ちが一番近かったかもしれません。
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